俺スカの撮影が始まり、
わたしは特に、気にしないようにして、
会話も特になく。
謙杜「松野さん!」
あなた「なに、?」
長尾謙杜くん、
この子はやたら話しかけてくる。
恭平と仲良しの子ってことくらいしか知らないけど…
謙杜「これ差し入れの!美味しいですよ!」
廉「長尾、お前ぐいぐいいきすぎやって。」
あ、永瀬さん…
恭平の憧れの先輩、やったはず。
あなた「あのっ、」
廉「ん?」
あなた「恭平がいつもお世話になってます…」
廉「え、まさか高橋の彼女?笑」
あなた「いやっ、幼なじみで…」
謙杜「え!ちょっと、みっちーみっちー!!」
え、
謙杜「なんで無視するん!笑 きてや!!」
長尾くんの言葉に、
渋々こっちに来るしゅん。
謙杜「知ってた?高橋くんと幼なじみやねんて!」
駿佑「知ってるわ、」
謙杜「え!?なんで!!?」
駿佑「いや、…」
…逃げ出したい、この状況、、
謙杜「あ、松野さん最近忙しいんですか?」
あなた「え、?」
謙杜「ほら、学校であんま見かけないので!松野さんかわいいから、めっちゃ目立ってたのに。」
あなた「そうでもないやろ、笑 それに、そっちの方が目立つやん。」
謙杜「いやいや、ほんますごいですよ?ね、みっちー。」
駿佑「え、…やな、」
ちらっと、
しゅんの方を見ると、
バチっと目が合い、
しゅんはそのまま目線を逸さなかった。
あなた「しゅ、…道枝くん、?」
駿佑「…髪、伸びたな。めっちゃ綺麗。」
あなた「え…?」
…なんでそんなこと、
廉「え、なに?2人、知り合いなん?」
あなた「…はい、ちょっと、」
謙杜「あ、もしかして元カノとかですか!笑」
えっ、
あなた「いやっ…その、そんなわけ…」
駿佑「…、」
謙杜「え、もしかして図星?笑、」
廉「え、ガチ?」
小さく頷くしゅん。
流れる気まずい空気。
なんで…
廉「…共演かなんか?」
駿佑「いや、…俺が、一目惚れして。流星くんに話したら、友達やから紹介するって、」
…ん?
それ初耳やけど、
駿佑「で、そっから仲良くさせてもらって、告白して、」
謙杜「なんかすごいな、いつから?」
駿佑「ちょうど一年前くらい。高校入ってすぐやから。」
廉「喧嘩でもしたん?」
あなた「ないですよ、、笑」
謙杜「なんで別れたん?」
駿佑「…いろいろあってん、」
そう言ったしゅんの表情は、
どこか、悲しそうで。
いろいろってなに?
…あのとき、
なんで別れへん?って言われたのか、
わたしは知らない。
聞いても何も、
答えてくれなかった。
他に好きな人でもできたんだろうなとか、
所詮わたしなんて遊びだったのかな、
って思ってたけど。
ほんとの理由、
なんなんやろ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。