「頭ふわふわしてきたって！」と必死に訴えかけられ



思い返し、ぼんやり浮かんだその記憶が確信に変わった



安直なころんくんの行為がどうやら彼の中に



潜んでた催眠を促進させてしまった理論が浮上する

「オレの直感が正しければ…」何かひらめいたらしい



眩しくなるほど純粋な微笑みで独占欲を見せつけるよう



膝の上にそのまま倒れ込んだジェルくんに対し



静かに訝しげに首を傾げながらも歩み寄った

30cm、20cm、10cmと距離が縮んでいく



次の瞬間に突拍子なくジェルくんの両頬に手を添えると



無言でそのままさとみくんは顔を近づけ視線を捕らえ



全て見抜いてるような突き刺す眼差しを送ってた

晴れやかな大笑いの渦が一気に広がっていたけど



「ハ、ハ、ハハッ…」と作り笑いみたいになってしまう



天真爛漫に大口を開けて笑う余裕なんぞ無い



目の前で繰り広げられた光景が鮮明で刺激が強かった

トリック解説をドヤりながら解説してる横で



ふつふつと湧き上がる疑念が頭の中を埋めていく



リアクションが見たかったから？それとも…と



自分に好意を示してくれてると勘違いしていいか葛藤

「「「「「「…え？」」」」」」全員声が揃った



予期せぬ発言に驚きを隠せず一寸の狂いもなく



タイミングが合い声が綺麗にハモる



そして「ん？」言った張本人のみ意味を分かってない

「ほれほれ」と空気を和ませようとしたが



ジェルくんが私を好きでいる衝撃事実が発覚すると



急にどんよりとその他面々も何とも言えず口ごもった

突然の過度な情報が脳内に入り、頭はショート状態



言葉は耳の中で吸収されているが本質は理解していない

"今度こそ本気で”催眠”かけるわ"



聞き捨てならないセリフが飛んできた