解いた時、莉犬くんに接触してたのは紛れもなく
さとみくんだったけど…空気感でまんまと誘発された?
一番催眠をかけるなんて不可能と自負してたこの人
それとも本当はかかってなかったりして
キョトン顔で不思議そうに首を傾げていた
穢れなき眼に見つめられてると罪悪感でいっぱいになる
自分がやり始めたこととはいえ、申し訳なくなる
応用で使えばまた催眠が解けるかもしれない
やけにバブみ強めで頭が混乱してきた
いつにも増してきゅるきゅるしてるし、その他面々が
明らかに怯えてる…彼の愛想を振りまく具合が尋常
男女間でのハグなんて大きくなってからしたことない
むーっとでも言いたげに頬をプクっと膨らませる
まるであざと可愛いを具現化したような仕草
告白をされたあと、頬にちゅっと口付けされた
鍛えられた厚い胸板に色白でも男らしさを感じる腕が
ハグを解こうとしてもビクともしない力強さ
改めて”男性”ということを意識する
「真っ赤になって可愛い」耳もとで甘く囁かれた言葉
満更でもない顔をした自分も自分だけどさ
「あなたちゃんはそこで我慢してて!」と
問題人物の支配下で待機の手段を取られ自業自得だが
じっとしてればいいだけ…って反応しないよう暗示
しかし「可愛いね~」くすりとイタズラに笑うと
耳を指でそっと撫でられ動揺した
ふにゃりと微笑むとまた抱き寄せられる
【好きな人】の前ではこんな風になるなんて見当違い
音を立てて平手打ちでも…けど手は上げたくない
視界もさとみくんが驚いてるのも分かるが
喉が閉まって声が出ない
「嫌いにならないで、、、」と肩に顔を埋められる
その声はあまりにも彼らしくない弱々しい声
さとみくんがわたしの髪を梳きながら撫でている
相当の酷い顔をしていたのかもしれない
"さとちゃんこれ見といてな!"
そう言うと、白黒のぐるぐる回る模様を見せた