第14話

3日目 探索
1,345
2018/09/20 12:04


私は急いで武器庫に行った。


武器庫は昨日、スズと話していた場所だ。
村岡 ナナミ
ここにあるナイフ
を使おう…


私は途中で誰かに見られてもいいように、フードを深くかぶった。


そして、ナイフを持つと、急いでキッチンに戻った。





【キッチン】



村岡 ナナミ
(ハァ、ハァ…)



キッチンまで走ってきたから、呼吸が乱れている。


シンタに気づかれないといいけど…
村岡 ナナミ
(よし。)


シンタを殺害する段取りはこうだ。


まず、今かぶってるフードを脱いで、シンタの口をふさぐ。


声を出せなくして、シンタを背中からナイフで刺す。


うまくいくか分からないけど、今は時間がないからやるしかない。


時計を見ると、2時30分をさしていた。
村岡 ナナミ
(これから、人を
殺すんだ…)


そう思うと冷や汗が出てくる。
村岡 ナナミ
(こ、こんなことを
考えてる場合じゃない!)
村岡 ナナミ
(殺さないと、私が
死ぬ!)


私は勢いよくシンタの方へ行き、フードで口をふさいだ。
市村 シンタ
ーーー!


シンタは私を見て驚いているような様子だった。
村岡 ナナミ
シンタ、ごめん。


グサッ






私はシンタを、殺した。


動かなくなったシンタを見た瞬間、体中の力が抜けた。


私はその場にヘナへナと座り込んだ。


脚がシンタの血で汚れていく。


心が、汚れていく。


私は目に溜まった涙をグッとこらえた。
村岡 ナナミ
証拠を隠滅…
しないと……


シンタを刺したナイフを冷蔵庫の奥の方に隠した。


私は靴を脱いで、シャワールームまで行った。


そして、私の顔や、脚に付いていた血を


レイのタオルにつけた。


夜シャワーを浴びたのか、レイのタオルはかかったままだった。


服に血が付いていたので、シャワーで血をとったあと、


血が付いていないパーカーを着た。
村岡 ナナミ
(これでレイに
罪をなすりつけ
られる…)


みんなは、レイがシンタの返り血を浴びたと思うだろう。





小ホールに戻ると、スズはまだ寝ていた。


ベットに入ると、色々な感情が私を襲ってきた。
村岡 ナナミ
(私も寝よう…)


『卑怯者』


『人殺し』


『自分が助かりたいために、シンタを殺した。』


違う、違う、違う…


もう否定するしかなかった。

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