第18話

ナナミの過去&3日目
1,383
2018/09/29 11:53


突然人狼ゲームに巻き込まれた私は、


どんな犠牲を出してでもこのゲームを生き残ることを誓った。


そこまでしてでも、私には生き残りたい理由がある。










10年前









6歳の私には、14歳の姉が1人いた。
村岡 ナナミ(幼少期)
おねーちゃんは、
今日も空手なのー?
村岡 ナツミ
うん♪
村岡 ナツミ
今日も見に来る?
村岡 ナナミ(幼少期)
行きたい!


姉は空手をやっていて、私も道場についていくことが多かった。


道場で姉が空手をしている姿がとてもかっこよく、私も
空手を始めるようになった。
村岡 ナナミ(幼少期)
空手、楽しい!
村岡 ナツミ
そうかそうか♪


そんなある日…


姉と私は空手の練習の帰り、ひとけの無い道を歩いていた。
村岡 ナナミ(幼少期)
おねーちゃん、明日
大会でしょ?
村岡 ナツミ
そうだよ。
村岡 ナナミ(幼少期)
頑張ってね!応援
するから!
村岡 ナツミ
ありがとう♪おねーちゃん
頑張るよ!!


その時だった…
殺人鬼
あぁぁぁあ!!
殺人鬼
みんな死ねぇぇ!!
村岡 ナツミ
!?


知らない男が、包丁を持って私めがけて走ってきた。
村岡 ナナミ(幼少期)
えっ!!
村岡 ナツミ
ナナミ、危ない!!


ドンッ
村岡 ナナミ(幼少期)
!?


ナツミが私を押した。
殺人鬼
あぁぁぁあ!!


グサッ
村岡 ナナミ(幼少期)
お…ねえちゃん……?


姉は私の代わりに、男に刺されてしまった。
殺人鬼
そこの小さい奴も…
村岡 ナツミ
や…めて……


男が私に向かって振り上げた包丁を、姉が止めた。


肩から血を出しながら、必死に男の腕をつかんでいる。


私は恐ろしくて声が出なかった。
殺人鬼
はなせ、はなせ!!


グサッ


その男はナツミの腹を刺した。
村岡 ナツミ
うっ………
男性
何をしているんだ!!


どこかの家から男性が出てきた。


男性は、男の両腕を押さえ、動きをとれなくした。
殺人鬼
やめろっ!!
男性
暴れるな!!


私はすぐに、姉のもとに駆け寄った。
村岡 ナナミ(幼少期)
お姉ちゃん!!
村岡 ナツミ
な…な…み……
村岡 ナナミ(幼少期)
ねぇ、死なないで!!
村岡 ナツミ
ケホッ…
村岡 ナツミ
ご、ごめん…ね……
村岡 ナツミ
お姉ちゃ…ん、死んじゃう
かも…しれない…
村岡 ナナミ(幼少期)
いやだ、いやだ!!


遠くから救急車とパトカーのサイレンの音がする。


姉は、今にも切れそうな息で言った。
村岡 ナツミ
あのね…
村岡 ナツミ
私、幸せだったよ…
村岡 ナツミ
ナナミと…空手を一緒に…
でき…て…
村岡 ナツミ
今まで…たくさん楽しい…
事ができて……
村岡 ナナミ(幼少期)
おねえちゃん……
村岡 ナツミ
だから……
村岡 ナツミ
私の分まで…生きて……
村岡 ナツミ
必ず……


バタッ
村岡 ナナミ(幼少期)
お姉ちゃん!!!


姉は動かなくなった。













私は今でも、姉を殺したあの男が憎い。


憎くて、憎くて、しかたがない。


だから、あの男に罰をあたえたい。


結局あの男は、裁判で無実になった。


理由は、精神状態が異常だったから。


あの男に罰をあたえるまでは、死ぬわけにはいかない。
村岡 ナナミ
絶対に、このゲームを
生き残るんだ…
広尾 ケンスケ
ナナミー♪この建物から
出るヒントって
分かったー?
村岡 ナナミ
え!?
村岡 ナナミ
まだ、分かってない
けど…
村岡 ナナミ
どうして?
広尾 ケンスケ
それは…
広尾 ケンスケ
君の感が鋭そう
だから、かな?
村岡 ナナミ
そ、そうかな…?
広尾 ケンスケ
そうだよ♪
村岡 ナナミ
あ、ありがとう…


ケンスケはどうこしこんなことを、突然聞いてきたんだ…?


いずれにせよ、ケンスケはとても感が鋭いから、注意しておこう…

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