第20話

3日目 探索
1,289
2018/10/04 21:45



ガコンッ
村岡 ナナミ
………!?



私は誰かに頭を重い何かで殴られた。



誰が殴ったのかは分からないが、おそらくバットで殴ったの
だろう。


私は意識を失っていった。




























村岡 ナナミ
いっ……!


目を覚ました時には、私の両手がロープで縛られていた。


そして、寝室の床を見ると、血がついていた。
村岡 ナナミ
(きっと頭から血が
出てるんだ…)


動くたびに頭から強い痛みが走る。


私を殴ったのはおそらく人狼だ。


殺すなら一発で殺せばいいのに。




そう思った。
村岡 ナナミ
とりあえず、部屋から
出ないと…


ドアノブを回すが、鍵がかかっていた。
村岡 ナナミ
どうしよう…
村岡 ナナミ
このままじゃ出られない…


その時だった。
???
出る必要はないよ。
村岡 ナナミ
!?


ドアを開けて、誰かが入ってきた。


この声は…
村岡 ナナミ
モモカ…?
松田 モモカ
うん。
松田 モモカ
うちがあんたを殴ったの。
村岡 ナナミ
ってことは…
松田 モモカ
うちは人狼。
松田 モモカ
そして、今からあんたを
殺すよ。
村岡 ナナミ
なら早く殺してよ。
松田 モモカ
………


意外と殺されることに恐怖を感じなかった。


もちろん、死にたくはない。


人間は不思議なものだ。
村岡 ナナミ
どうして、殴って意識を
失わせた後に私を殺さな
かったの?
松田 モモカ
それは…
松田 モモカ
あんたがとっても
憎いから!!
松田 モモカ
もっと苦しめてから
殺したいから!!
村岡 ナナミ
私が憎い…?
松田 モモカ
ああ。
松田 モモカ
うちは昔、レイと
付き合ってたんだ。
村岡 ナナミ
え!?


じゃあ、モモカとレイは人狼ゲームが始まる前から知り合ってたって
ことか…
松田 モモカ
でも、レイは午前処刑
された。
村岡 ナナミ
うん。
松田 モモカ
でも、今探索してて
気づいたんだよ。
松田 モモカ
シンタが殺された夜、
私とレイは同じ部屋で
寝てたんだよ。
村岡 ナナミ
………
松田 モモカ
だから、レイはシンタを
殺すことができない。
松田 モモカ
うちが気づいてない
から。
村岡 ナナミ
そうだね。だから私が
人狼だったって言うの?
松田 モモカ
ああ。
松田 モモカ
今日の昼にレイが人狼だ
って言ってきたのは
あんただ。
松田 モモカ
自分が人狼なことを隠す
ために、レイに罪を被せた
んだろ?
村岡 ナナミ
………そうだよ。


まぁ、今さら私が人狼とバレたところで、何の問題もないか。
松田 モモカ
レイは、私の彼氏だったんだ。
もうあんたを許せない。


そう言うと、モモカはポケットからなにかを取り出した。
松田 モモカ
これは薬品庫で見つけた。
松田 モモカ
毒ガスだよ。


よく見ると、モモカが手にしている物は爆弾のような形をしていて、
栓を引っ張るとガスが出るようだった。
松田 モモカ
このガスで、あんたを
殺してやるよ。


そして、モモカは栓を引っ張った。


プシュー


白い煙が出てきている。
村岡 ナナミ
ゲホッ……


煙で前が見えない。


モモカはそのすきに寝室を出ていったようだ。
村岡 ナナミ
苦し……


意識が朦朧としてきて、呼吸が苦しくなってきた。


でも、こんなところで死にたくない!


私は必死に出る方法を考えた。


その時、寝室の壁に通気口の穴が見えた。
村岡 ナナミ
あそこなら、通気口を
通って出られるかも…!


私はおぼつかない足取りで、通気口まで向かった。

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