第16話

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2023/05/09 16:49
重い空気
光を灯していない目が、あなたを見下ろす。
あなた
……
森鴎外
あなたちゃん
森鴎外
君は一体
何のためにポートマフィアにいる?
あなた
………はぁ
首領の部屋から出たあなたは、
ドアによりかかり、ため息をついた。
首領からお灸を据えられるのは久しぶりだな。
普段の首領からは想像つかないほど冷たい表情。
こうなった理由は自分でも重々分かっている
人虎____敦くんの事だ。
芥川や樋口が告げ口した訳ではない事は分かる
ならば、何故私が邪魔に入ったのを知っているのか。
何となく予想は付く。
あなた
……
???
貴方が首領の部屋から出てきて
そんな顔をするのはあの日以来か…
あなた
っそんな酷い顔か、…?
あなた
広津さん…
広津柳浪
まさか。
腰を抜かしてしまう程美しい
広津さんは、昔から私を可愛がってくれていた人だ。
親族の居ない私が言うのもおかしな話だが
広津さんは私にとっては祖父の様な存在だ。
すると、広津さんはス、とハンカチを差し出した。
あなた
……?これは…
広津柳浪
おや、気付いておられないのですか。
広津柳浪
あなた様、泣いていますよ。
あなた
……そうか
広津柳浪
…しかし分かりませんな。
何故”こうなる事”が分かっていても
人虎の少年を助けたのか……。
あなた
…まさか。助けていない
あの時の“お礼”をしただけだ。
最初こそ気付かなかったが
私は河川敷で彼と会う前から、彼を知っている。
今から7年前____________。


私が17歳の頃。
ポートマフィアの任務で、
或る孤児園の近くにある隠れ家に居る密輸業者を
皆殺しにする。という中々ハードな任務だ。
人数はかなり多く、私は足に傷を負ってしまった。
あなた
っっ………はぁ、っ…
あまりの痛みに、私は膝をついた。
そこは丁度、孤児院の前だった。
何とか立ち上がり、
フラフラな足取りで歩こうとすると
何処かから、声をかけられた。
中島敦(幼少期)
足怪我してるよ…?大丈夫…?
あなた
………
こんな幼い少年を、”敵か”なんて思ってしまう私は
あの頃かなり荒れていたんだな、と実感する。
中島敦(幼少期)
痛いよね……
中島敦(幼少期)
あ!そうだ!
少年が駆け足でこちらに近づいてくる
思わず銃を突きつけるが、少年はしゃがみこみ、
私の怪我した足を撫でながらこう言った。
中島敦(幼少期)
痛いの痛いの飛んでいけー!
あなた
……!
黒く淀んでいた心が晴れるようだった。
殺しなんて汚い事をしている私にこんな事をしてくれる。
頬に生暖かい何かが伝う。
あ、私泣いてるんだ。
中島敦(幼少期)
へっ!?
まだ何処か痛いの!?
中島敦(幼少期)
い、痛いの痛いの飛んでいけー!
あなた
大丈夫。君のおかげで、
もう何処も痛くなくなったよ。
ありがとう
中島敦(幼少期)
!えへへ…!///
この可愛らしく笑う少年に、いつか絶対恩を返す。
あなた
またいつか会おう。少年
中島敦(幼少期)
ばいばい!キレーなおねーさん!
……将来タラシにならないか心配だな…(
次会うときは、怪我していない時に。
あなた
…私は彼にだけは絶対に手出しさせない。
首領に何をされようが……
広津柳浪
…そうですか。
私は…あなた様のやりたい様にやれば良いと思います。
広津柳浪
私は…貴方様の味方ですよ
あなた
広津さん…
あなた
ありがとう
広津柳浪
(あなた様は私にとって上司でもあるが……孫の様な存在でもあるからな)
あなたが広津の隣を通り過ぎた時
広津はある物を見つけ、目を見開いた。
あなたの首元に付いた紅色の華。
キスマークだった。
作者
作者
よし!僕頑張った!!
おやすみ!!(
作者
作者
バイハム〜

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