「ガラッ」
職員室に隠れて、10分程経った頃だろうか。
職員室のドアが開く音が聞こえた。
デスクから少し顔を覗かして、ドア付近を見てみると…
何故だろうか。
職員室は暗くて何も見えないはずなのに、入って来た人が手にナイフを持っているということがすぐに分かった。
私は、焦って顔を引っ込めた。
息が荒い。
身体中がガクガクと震える。
心が、「逃げろ」と言っているような気がした。
逃げろ。心はそう言っているのに、体が言うことを聞いてくれない。
どうしよう…!
逃げれないということに更に焦ってしまい、デスクに手が当たってしまった。
まずい!
慌てて口を塞ぐ。
だが、もう遅かった。
遠ざかっていた足音が、こちらに近づいてくる。
私の目の前で足音は止まり、殺人鬼はしゃがんだ。
殺人鬼は、不気味に笑っている。
首に冷や汗が垂れる。
「死ぬ」
そう思う暇もなく、殺人鬼は、私の顔に向かってナイフを振り下ろした__。
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次回、♡10で公開!
by桜🌸
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!