プリ小説

第18話

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『では、これから自由行動にしたいと思います。自由に見学を始めてください』



ガイドさんの一言で全員が四方八方に歩き出す。


「なっちゃん、私向こう見てきてくるね?」


「わかった……けど、1人で大丈夫?」


「うん、行ってくるね!」






とりあえず宛もなく歩いていると、目の前に巨大な仏像が見えてきた。


「な、なにこの仏像……大きい、高い……」


見上げすぎて首が痛くなってきそうだ。




「阿弥陀如来坐像、ですよ」


突然聞こえた声に反射的に振り向く。


そこには何かお坊さんのような格好をした人がこちらを見ていた。


「急にすみません。あまりにこの阿弥陀如来坐像をジッと見ていたものですから」


「あ、はい……随分大きいなと思いまして」



「そうですね……貴方は修学旅行生ですか?」

「はい、北海道から来ました」

「北海道、それは随分遠くから…お疲れ様でした」


頭を下げられて私はこれでもかと言うほど首を振った。



「い、いえいえいえいえ!とんでもないです!」





「……貴方には何か悩みがあるようですね」


「…………え?」


「恋、の悩みでしょうか」




な、なんだろう。この人。

エスパーかなにか!?




「あ、あの───」


「自分の思うがままに行動しなさい。出会いを大切にしなさい。」


私は目の前のお坊さんを見つめる。



「誰になんと言われようと、どれだけ自分の心に嘘をつこうと……感情の根元まで変えることは出来ませんからね」


「……気持ちの根元……あの、それって───」






「実生ーー!!!どこー??もう行くよーー!!!」


なっちゃんの声だ。

少し小さいけれどちーちゃんの声も聞こえる。



「もう、おゆきなさい」


「……はい、ありがとうございました」



お坊さんに向けてお辞儀をしたあと、私は声のする方へ駆け出した。

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咲笑
入賞者バッジ
咲笑
咲笑と書いてさえと読みます! 趣味は、アニメを見ること、小説を書くこと、お菓子を作ること、 声優さんの歌を聴くこととか…。 アニメが大好きです! 約ネバにハマってます! ヒプマイらぶです。 声優は、しもんぬ、ゆうたん、斎藤壮馬さん島崎さんとか全員大好きです!!