プリ小説

第15話

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なんだかんだあったけど、無事に修学旅行当日を迎えた。


今は新千歳空港に向かうバスの中。


これから飛行機に乗って神戸空港に向かう。


そこから特急に乗り換えて京都に行くといった感じらしい。





「おい、みつ。お前なんでそんな隈出来てんだよ。昨日早く寝なかったのか?」


隣に座っているはるが顔を覗き込んでくる。


「あんま眠れなかったかも……て言うか、なんではるが隣なの?」


「仕方ねぇべ?2人ずつ座るとどっかが男女で座るようになんだよ、みつだって俺以外の男子と座るよりはマシだべ?」


「……まぁ…ねぇ、はる。空港まで寝るから着いたら起こして」


「は、はぁ!?お、おい──」


私ははるの声を遠くに聞きながら睡魔の言う通りにゆっくり瞼を閉じた。




──────
──────…………


『ねぇ、ゆず!ゆずはどうしていつもかなしそうなかおをしてるの?』


『そうだな…もうすぐみいに会えなくなるのが悲しいからかな?』



お願いだから、そんなに泣きそうな顔をしないで……。



『会えるよ!私はまだまだいるからあしたもちゃんとゆずにあえるよ!』


ちゃんと会えるって君がそう言ったのに…、



『そうだね…ありがとう、みい……
でもね───』









───────
───────…………



「……き…みつ、実生!!」


「…………っ!!!」



それまでの映像がピシャリと消え、私は急に現実に引き戻された。



眩しい光で閉じそうな目を無理矢理開けると、




「…………どこ、ここ」



見たのとのない光景が広がった。


確か私は新千歳空港行きのバスに乗っていたはずでは……?



「な、なっちゃん!ここはどこ!?」


「はぁ……どこって、神戸空港よ」



なっちゃんは今なんて言ったんだ。

私の聞き間違いじゃなかったら、『神戸空港』と言っていたような……。


「こ、神戸空港?!」


「やっと分かったの?もうみんなあっちに揃ってるわよ、早く行くよ!」


眠気の残る頭をフル回転させて、隣にあった自分の鞄を背負ってなっちゃんの後を追いかけた。



「ね、ねぇ、なっちゃん!」


「ん?なに?」


「私どうやってここまで来たの!!」





「…………春希に感謝するのよ?なんぼ起こしても起きないからって移動の時とか全部春希実生のこと背負ってくれてたのよ」


「は、はるが?」


「えぇ。だから後でちゃんとお礼を言っておくこと。いい?」


「う、うん…わかった」



そんな会話をしていると、向こうの方に同じ制服を着た人集りが見えてきた。





「あ、夏海ちゃん!実生ちゃん!こっち!!」


大きく手を振るちーちゃんの姿も見えた。




「ごめんね!ちーちゃんも!」

「ううん、私は全然!」



「やっとお目覚めですか?」

振り向くと、はるが立っていた。



「はる、あのね…なっちゃんから聞いた」

「ほぅ……それで?」




「ありがとう、はる!」


「………………っ、別にいいけどよ…おまえもう少し痩せれよな?重かったぞ」


「は、はぁ!?人がせっかくありがとうって言ってるのになんでそういうこと言うかな!!」

「じ、事実を言っただけだべ!!」



ギャーギャーと騒ぐ私たちの近くで、



「あーあ…なんで春希はああいうこと言っちゃうのかな?照れ隠しではあるんだろうけど」


「ガキなのよ、あいつ後で締めるから」


「怖い怖い……まぁでも、無理に起こせなかったってのも事実だとは思うけどね」


「……そんなこと分かってるわよ」


「夢を見て泣いてる実生を見たら…ね、」




そんな会話をしているなんて私たち二人は知る由もなかった。



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咲笑
入賞者バッジ
咲笑
咲笑と書いてさえと読みます! 趣味は、アニメを見ること、小説を書くこと、お菓子を作ること、 声優さんの歌を聴くこととか…。 アニメが大好きです! 約ネバにハマってます! ヒプマイらぶです。 声優は、しもんぬ、ゆうたん、斎藤壮馬さん島崎さんとか全員大好きです!!