ここがどこなのかも分からないし、スマホも充電切れでみんなと連絡もつかないんじゃどうしようもない。
「みんな心配してるだろうな……特になっちゃん」
途方もなく歩いていると、どこかの川沿いの道に出た。
川の向こうの側には京都の街が広がっている。
「……きれい、だな」
──── 丁度4歳の時、京都で迷子になって
お母さんのことばが頭の中に蘇ってきた。
「これじゃ私、4歳の時と何も変わらないじゃん……」
自分の情けなさと知らない街に1人という不安感から涙が出てきた。
「……っ…グスッ……ッ」
「どうか、しました?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。