-(_・ω・)_タアン! 視点-
そう言いながら、破損した遺跡の鉱物を眺める。
遺跡はあんなにボロボロになってるのに、ここの鉱物や宝は売れるほど綺麗に残ってる。
不思議なほど。
まあ、遺跡って神秘的なものだし?
そーゆー神秘的な力で、宝を守ってたのかもね。
眺めていた鉱物を手に取る。
するとキラキラと鉱物は光の粒子になって、手元から消えた。
ステータス画面から持ち物をチェックすれば、案の定そこには先程手にした鉱物が入っている。
やっぱ、なかなか便利だよね、この機能。
長居無用。
もうここには気になるものは無いし、さっさと出て街でも探そう。
カミサマ?って人が言うには、能力を活かして金策してった方がいいって言ってたし…
あぁそうそう!
俺って、そのカミサマから色々聞いて、んでこの世界に来たんだよね。
というより、目覚めた?
細かいことは置いといて、目覚めてから数日経った今、我ながら異世界での旅をエンジョイ出来てるのではないか?
最初はなんもわっかんなかったけど、ちょっと慣れてきた気がする。
魔物と会ってるわけでもないしね。
俺の職業はあんま戦闘しなくても、そこそこ育つらしいし、無理に戦闘しなくていいらしい。
特殊な職つーのは新鮮味抜群で楽しいが、戦闘も一度はしてみてぇよ〜。
っていうボヤキを心で言うものの、実際は夢の異世界で内心ワックワクしてる。
他にも転移した人もいるらしいんだけど…
まっ、とりあえずは気ままな旅をしようかな。
あー次どこ行こっかな〜
そう鼻歌を口ずさみながら、歩きだそうとしたその時、足元にあった石版の文字が目に入った。
石版には古代文字で、『都護りし古の石龍、かの災害を経て暴虐の龍と成り果てはここに封じた。封印いずれ破れ、再び災害をもたらし…』と、書かれていた。
続きは破損して解読不能だったが、ここには龍がいたのだろうか?
この荒れようだと、もう封印解かれてそうなんだけど。
相当、ここは誰かに手入れされてたみたいだったし、何者かに壊されたのかもしれない。
俺は別に関係ないけどね〜。
俺は遺跡をスキップしながら去る。
ゆくあてもない旅路で、俺は未だのんきに歩いているのであった。
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つづく…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。