次の日_____
ギリギリまで寝ていた俺は理人に叩き起こされ学校のチャイムと共に教室に滑り込んだ
理人と俺が教室に入った途端空気が静まり返る
大「今日もギリギリかぁ?」
流「もうちょい、余裕をもって行動しろよ(笑)」
恭「うるさッ(笑)母親かよ」
俺は、長尾の背中を優しく押し席に移動した
俺は高橋が俺の隣にずっといてくれたこともあり、お供3人組に手を出されず1週間を無事に過ごした
いじめられっ子もお供3人組にいじめられてる様子もない
そんな上手いことがあるはずがないと思いながらも、深くは考えないように心掛け俺は平穏に過ごした
謙杜ともユニバに行く約束をし、土曜には楽しみが増えて俺は少し浮かれていた
結局は2人とはいかなかったが、4人で“楽しい”と思える思い出が増えて俺は今まで味わったことのない“幸せ“ってものを感じたように思えた
(ユニバの話は“みちなが”の方に掲載しています!!)
日曜は二人で家でゆっくりすることにした
高橋は寝起きが悪いからまずはたたき起こすところから朝が始まる…
けど、今日は休み
休みの日くらい、ゆっくり寝かせてあげてもいいよな?
俺はそっと高橋の腕からすり抜けキッチンへ向かった
居候させてもらってるから、これくらいはしないとな…
料理はほぼやったことがないが、高橋が喜んでくれるならと思い朝ごはんを作ろうと決意する
目玉焼きを作ろうと思い卵を割ってみるが
ぐちゃ
理「…っあ…」
フライパンの中に殻も全て入ってしまった
殻を取り出そうとすると…
理「あちッ…」
火をつけていたことを忘れ軽く火傷をしてしまった
理「ッ…」
指を見てると焦げた匂いが…
理「ああ!!!」
すぐに火を止めたが、すでに遅く黒く焦げているところがある
理「…ッ…」
俺は、料理もできないなんて…
これじゃあ、逆にがっかりされるんじゃないか?!
この焦げた卵をバレないように片付けないと
そう思ってフライパンに手を伸ばした時…
ガチャ
リビングの扉が開いた
理 ッびく!!
恭「ながおー?」
理「…ッ…」
恭「…なんか、焦げ臭くない?」
高橋がこっちに近づいて来るのが分かってるが、俺の脳内はパニックで動けない
恭「あ…卵、焦げてる…」
理「あ、あの………ごめん」
恭「お腹減ってたん?笑」
理「…減ってない……」
恭「もしかして…俺のために作ってくれたとか?」
理「…ッコク/////////…でも、失敗した…」
恭「ふふ。めっちゃ嬉しいねんけど…
いただきまーす!」パクッ
理「ちょ!焦げて!」
恭「うん、焦げた味する笑」
理「食べたらだめだって」
恭「えー。長尾が俺の為に初めて作ってくれた料理やろ?!もったいないやん」
理「ッ/////////でも…こんなもの食べちゃッ」
恭「じゃあ、一緒に作る?笑」
理「…え?」
恭「よし!再チャレンジや!いくで!」
カンッ パリッ
高橋が割った卵は綺麗にフライパンの中に吸い込まれていった
恭「次、長尾もやってみ?優しく割るんやで??」
理「…こう?」
恭「…そうそう」
パリッ パカッ
殻は真っ二つに割れてフライパンに吸い込まれていく
理「たかぁし!できた😄!!」
俺は嬉しくなり、高橋の顔を見る
恭「ッ/////////」
理「ッ///////////」
高橋が目を丸くして顔を赤らめてるのを見て俺も、急に恥ずかしくなる
恭「なぁ、長尾…笑った顔…めっちゃ可愛いんやけど…もう一回見せて?」
理「ッ///や、やだ/////」ぷい
恭「なんで!めっちゃ、可愛かったんやけど…ほんま、今のは不意打ちやった」
理「あ、たかぁし!焦げる!!」
俺はさっき焦がしたこともあり、じっと卵を見つめていた
恭(…かわいい)
食パンの上にハムをのせたうえにフライ返しで目玉焼きをそっとのせる
慎重に、慎重に…
理「でき、た✨」
俺は初めて料理をし、成功したことが嬉しくて口角が上がる
恭「ふふ。美味そうだな」
理「うん!………ッ//////」
高橋もおいしそうだと言ってくれてつい嬉しくなって、高橋の方を向いて頬が緩んだ
しかし、目が合った途端、急に恥ずかしくなって目をそらした
恭「ふふ。食べよ!」
理「う、うん…////」
高橋はその場で立ったまま食べ始めた
理「ちょ!!座って食べないのか?」
恭 もぐもぐ………
「やって、はやく長尾と作った朝ごはん食べたかってん!長尾も、食べよ」
理 もぐもぐ………
「ふふ。おいしい、、、」
恭「うわ、めっちゃ黄身たれてくる!!」
理「わぁ、俺のもッ」
二人で黄身が垂れる前に口に入れる
もぐもぐもぐ
ふと、高橋の方を見るとリスみたいに頬が膨れてる
理「うぐ…(笑)」
なんだかおかしくなって笑いがこみ上げてくる
高橋も俺のことを指さしながら笑いをこらえている
ゴクッ
恭/理「はぁはぁはぁ…」
恭「死ぬかと思ったー」
理「…はぁはぁ…ッふは、あははは」
恭「長尾も小リスやったからな(笑)」
理「あはははは。高橋、ほら…ついてるぞ?(笑)
赤ちゃんかよ(笑)」
そう言って俺は笑いすぎて涙目になりながら高橋の唇を親指でなぞった
恭「ッ………」
唇をなぞり終わった後に我に返る…
今、おれ…何してんだ?!
高橋も驚いて目がキョトンとしている
あ、やっちゃった
理「あ、、、嫌だったよな?…ごめん…ッ」
俯き、自分の唇を噛んだ
すると、大きな手が頬に触れた
恭「いや…ッ可愛くてさ…ッどうしようもないくらい可愛くて…驚いてん」
理「…なんだよ、それ/////」
恭「長尾こっち向いて?」
理「や、だ////」
恭「よいっしょっと」
高橋は軽々と俺を持ち上げ台所に座らせ俺の顔を覗き込む
理「ッ////////」
恭「ほら。長尾もついてるで?長尾も、赤ちゃんやな?(笑)」
ペロッ
そう言って。高橋は黄身が付いてる俺の唇を舐めた
恭「ふふ。うまっ」
理「ッ/////美味しく、ない、だろ?…」
恭「美味しい…長尾の唇は柔らかくて、、うまいよ?」
心臓が跳ね上がる、つい高橋の唇に視線が行く
高橋の唇だって………蕩けそうになるくらい甘いのに…
キス…したい…
けど、こんなこと口が裂けても言えない
恭「キス…したい?」
俺の心を読み取るのが本当にうまい
理「…ッ………」
したいのに………
口からは素直な言葉が出てこない
だったら…
ッちゅ
俺は高橋の唇にそっと触れ、すぐに離す
こんなんじゃ、足りないのに…息ができないくらい心臓の鼓動は早くて怖くなる
こんな気持ち、初めてで誰かとキスしたいなんて
恭「足りない…もっと」
高橋は俺の後頭部に手を添え優しく引き寄せる
理「ちゅ、くちゅ…んふっ…んん…ちゅく、ちゅっ」
高橋のキスは深いのに苦しくなくて、頭まで高橋の色に染まりそうになる
俺は必死に高橋の舌を追いかけ絡ませた
自分の思いが伝わったらいいな…
理「…っんぅ…ちゅう、ちゅくちゅっ、ん………ッぷは」
恭「ふふ。ごちそうさま(*^-^*)」
理「ッ/////////…ごちそうさま」
恭「ふふ。長尾、ゲームするか?」
理「…できない」
恭「どうして?」
理「やったことない」
恭「ないのか?!家で何してたん?」
理「俺…ちゃんとした友だちいなかったし…家では、勉強してた」
恭「ずっと?」
理 …ッコク
恭「ゲーム楽しいで?教えてやるから、一緒にやんね?」
理「…ッやる」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。