……実梅が赤く染まって倒れていた
投げ出された腕は力を無くし、
溢れ出た血は実梅が死んだことを表している
メイドは謝っているが
心がこもっていないように感じる
小金は慌てたように実梅に駆け寄る
止めようとしたが、驚きで体が動かなかった
僕も少しずつ実梅に寄る
近づくと頭から血を流しているのが見えた
……体には数々の打撲痕が見える
まるで誰かに殴られたような痕だ
手首に親指を当ててみるが、脈が感じられない
……本当に死んだんだ、実梅は
僕の後ろにいた葵は、顔をおおって泣いている
小金は実梅が死んだなんて信じられない
とでも言いたいような顔をしている
頭に血が上るのが感じられる
こんなに憎悪を感じたのは初めてだ
そこから僕の記憶はあまり残されていない
女子の声と体の痛みで意識が戻った
体にはたくさんの血がついている
これは僕の血か?
それとも敵の血か?
体が痛いから僕の血だろう
近くから聞こえた瑠偉斗の声
どこにも見当たらないから透明になっているのだろう
骨張った体、高い身長
柊がそこにいた
ということは、もう夜なのだろう
女子はそう言うと、優しく肩を叩いた
体の痛みはもう消えた
ここからが、最終決戦の最終決戦だ
すみません、長くなってしまって
ケリがつかないのでそろそろやめます
なんの進展のない戦いばかりで本当にすみません
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。