第2話

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2021/10/09 14:03
yourside










小さな頃から歌が好きで 気がつけばスカウトされて この世界に入って。






「…早いなぁ。」






誰もいないリビングで暖かいココアを飲みながらぼうっとそう考える。





このゆったりした時間が僕は大好きだ。





仕事は忘れ、1人の人間として過ごす。

そんな些細な事を幸せと感じられる自分が好きだ。







と思ってたのに、



 ピピピ



と鳴った携帯で一気に現実に引き戻される。








「んん、だれ…」








差出人を見ると、学生時代 初めて本気で好きになった人だった。


正直、出ようか迷った。

今 彼女のことが嫌いなわけじゃない。


普通に忙しくてその存在を忘れていただけだ。







数秒悩んだ挙句、結局僕はその電話に出た。









「もしもし…」

『あっ、あなた?久しぶり、』

「うん、久しぶり。どうしたの?」









久しぶりに聞いた声は 僕の青春時代を思い出させてくれた。

頑張って話しかけて、

少しでも仲良くなれたら嬉しくなって。





そんな感傷にひたっていたのもつかの間、

彼女我慢できない、というように早口で話し始めた。










『あなた…今、NCTのメンバーなんだよね?』

「え?…あ、まぁ、うん。」

『…折り入って、お願いがあるんだけど、、』












嫌な予感がした。




電話を切ろうか迷っていると すぐに彼女は話を続ける。










『…ドヨンに、会わせてくれない?』










あぁ、やっぱり。

ほんの少しだけ、彼女はほかの女とは違う、

そう思ってたのに。




僕は何も言わず電話を切り、そのまま着信拒否にする。

と、その時ちょうど誰かが帰ってきた。










dydoyoung「あれ、あなた。そんなスマホ睨みつけてどうしたの。」

「ふん、ヒョンのせいですよ。ふん。」

dy「えっ?僕何かした?…何もしてないはずだけど?」

「はいはいヒョンは何もしてないですよ。僕の八つ当たりですよごめんなさいね。」

dy「珍しいなあ、あなたが怒ってるって。」

「僕の初恋が散ったんですよ、別に今も好きだ、ってわけじゃなかったですけど。」

dy「へぇ、フラれた?」

「だから今は好きじゃないですってば!」









ばいばい僕の初恋。

ドヨンイヒョンは僕の背中をぽんぽんと優しく撫でる。


慰めのつもりか、このヒョンめ。










「ヒョン、僕怒ったんで今度デートしましょう。」

dy「なんで急に?」

「僕のヒョンだって分からせてやるんです!」

dy「………そう。」










ヒョンを見ると 何故か口元を手で隠していた。










「ヒョン?」

dy「…いいよ、行こうか。デート。」

「ほんとですか、全部ヒョンの奢りですからねっ」










ヒョンにぎゅ、と抱きつくとヒョンも僕の頭を撫でてくれる。




ヒョンの手、あったかい。











「寝ていいですか」

dy「ベッドで寝なさい」

「ちぇ…」











結局僕は部屋までドヨンイヒョンに連れて行ってもらい

そのままヒョンの子守唄で眠りについた。








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