そんなことが今週は2・3度続いた。最初はなんで
だろうと不思議に思っていたが、だんだんリッ
パーと話すことが楽しみになっていった。いつ
からか俺はリッパーのことを「ジャック」と呼
ぶようになった。ジャックとの話の内容は様々
だった。俺のこと、ジャックのこと、世間話…。
そして試合のない日もジャックの部屋に行って
お茶会をするようになった。
今日もいつものようにジャックの部屋に向かっ
ていると、途中で占い師のイライ・クラークに
であった。イライは突然「ナワーブはリッパー
のことが好きなの?」と何故か質問してきたの
である。
俺は思わず変な声を出してしまった。俺がジャ
ックのことを好き?そうなのか?確かにあいつ
の隣はすごく居心地がいい。でもそんな気持ち
を受け入れることができなかった。
明らかに動揺している口ぶりであったのが自分
でもわかった。
ジャックのやつ他のサバイバーには普通に試合
してたのか?俺だけに優鬼をしていたのか?ナ
ワーブは自分の顔が少し赤っくなっているのに
気づいてそっぽを向いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。