第52話

永遠の眠り
4,131
2021/05/04 14:39
???
???
ウ"ウ"ゥゥゥ……
あなた

大丈夫……大丈夫だよ

あなた

私は分かってる。
ちゃんと、分かってるよ

シルバー
シルバー
ま…て……!
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
殺されるぞお前!!
あなた

きっと助ける……今度こそは

あなた

…………ЙбжфΨя…

私は、魔法が使えない




だったら……どうするか




私がこの世界で唯一使えるもの




動物言語学




これで……グリムを止めないといけない
???
???
……ЬЮёЪмχςσ
デュース・スペード
デュース・スペード
っ……会話…しているのか………!?
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
えっ…?これ何語!?
怪我をして動かない足を引き摺りながら立ち上がる




そして、自分より何倍もの背丈があるグリムに歩み寄る




その間もずっと、言葉を発し続けた




そのお陰か、誰よりも安全に近づくことが出来た




互いの間合いに入った瞬間




突然グリムが唸り声をあげる
あなた

ФЫЮйзУЙЧ大丈夫、怖くないよグリム

???
???
グルルル……グゥ………
グリムの鼻先にそっと触れる




少し湿っていて、暖かい




喉の奥がゴロゴロと鳴っている




怯えからの威嚇だと、すぐに分かった




それと同時に思い出した




これ……2回目だ




その時だった




ガシャーン!!





静まり返った空間に、大きな音が響き渡る




ボロボロになったシャンデリアが落下したのだ
???
???
グアァァァァ!!!
あなた

グリム落ち着iッッ…………ッッ!!!

ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
あなた!!!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
は……は…………嘘…だろ……
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
っ…………
ユウ
ユウ
ぁ……ぁ……あなた………グリム……
大きな音に驚いたグリムが……




私の首に噛み付いたのだ




首だけじゃない




腰から首の側面にかけて、大きく噛まれた




血が、腕を伝って落ちる




痛くて、立っていられない




"グリム……"




そう、口にするのがやっとで……




その後すぐに、全身の力が抜けた




目の前が、暗くなって閉じていく




……そうだ……思い出した




あの話の続き




糸車で指を刺したお姫様は眠ってしまう




確か小さい頃の記憶では、王子様のキスで目を覚ます




だけど確か……




童話では、100年の眠りにつく呪いにかけられてしまうのだ




100年間、目を覚ますことは無い




それは昔の人にとっては、永遠と等しかった




私は傷口の痛みと熱さを感じながら、その睡魔に抗えなかった────

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