第50話

SHOWDOWN TIME!!
3,987
2021/05/03 03:27
午後11時25分




私たちは鏡の間に戻った




みんなと、お別れの挨拶をするためだ




やっぱり、寂しい




私たちは幼なじみで、辛い境遇を乗り越えてきた




特にユウは、川に落ちたっきり消えた私たちをずっと探していただろう




私も帰らなくていいのか




そう数人に聞かれた




だけど……私は残らないと




レオナ様のこともあるし




何より、少しでもラギーさんの近くにいたかった




だけど………
あなた

グリムが……いない

エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
オンボロ寮で不貞腐れてんだって
あなた

えっ………

デュース・スペード
デュース・スペード
僕も声をかけたんだが……
あなた

えぇぇ……

シルバー
シルバー
あなた
あなた

ユ……シルバーさん

シルバー
シルバー
お前も来ていたのか
あなた

…はい

シルバー
シルバー
…?どうした
私は一歩寄る




右手を伸ばし、髪をふわりと撫でる




ああ……これが、私の弟なんだ




どことなく懐かしい
シルバー
シルバー
……!?……どうしたんだ…?
あなた

(ごめんなさい……
このことは……あなたに話せない)

シルバー
シルバー
……何故だろうか………とても落ち着く
グリム
グリム
ふなーーー!!
あなた

っ!?

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
っ…こら!暴れるんじゃない!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
寮長!?何してんすか!?
ユウ
ユウ
グリム……
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ルームメイトとして最後の挨拶の場にも現れないなんて……飛んだマナー違反だ
グリム
グリム
はーなーせー!
ユウ
ユウ
グリム……僕のこと…………いや?
グリム
グリム
……それないんだゾ?
お前は俺様の子分なんだからな
あなた

(……やり直したい………
この時間を巻き戻して……離れるのが寂しい………)

ディア・クロウリー
ディア・クロウリー
監督生くん、そろそろ支度を
ユウ
ユウ
…はい
グリム
グリム
まっ…待つんだゾユウ!!
ユウ
ユウ
グリム?どうしたの
グリム
グリム
俺様たちを置いて帰るなんて卑怯だ!
いっつも一緒だったんだゾ!?
あなた

いきなりどうしたのグリム……

グリム
グリム
ふなっ!お前からも言うんだゾ!
まだツナ缶貰い足りねえって!
グリムが涙目で、袖にしがみつく




きっとグリムは……覚えてるのかな




グーちゃんの記憶が、きっと残ってる




だよね……辛いよね
あなた

グリム……ユウには、帰るべき場所があるの。待ってくれる人たちがいる

あなた

それにこれは、ユウの問題……
酷だけど、私たちに止める資格はない

グリム
グリム
ふ…ふなっ!?
ずっと一緒にいたエースやデュースの方が




きっと効果はある




なのにグリムは、私にすがった




私がきっと、前1番仲がよかったのかもしれない




ごめんね……グリム…
???
???
…………だゾ
ユウ
ユウ
…グリム……?
グリム
グリム
行かせねえゾ!!!
ユウ
ユウ
グリム!?
あなた

きゃぁっ!!

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
逃げろ!!
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
賢者の行進ラフ・ウィズ・ミー
あなた

ひゃっ!?

ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
アンタほんと、
巻き込まれ体質っスねえ?
グリム
グリム
グルルッ!!ガウッ!!
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
戦えるやつはマジカルペン出せ!!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
くっ……これ…………オーバーブロットの時と同じか……!?
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
あなたちゃん監督生ちゃん下がれ!
ユウ
ユウ
グリムーーっ!!

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