第5話

夏の日常1
1,830
2018/06/21 22:01
蝉の鳴き声が全盛期になる頃、私たちは夏の合宿の真っ最中だった
あなた

ドリンク、ここに置いておきます!!

ただひたすらに練習試合をしている彼らを横目に、私はステージ上にボトルを置いた
コート側に向き直ると、蒸し暑いようなやる気が伝わってくる
あなた

(ああ、私にもこんな時期があったのか…懐かしいな…)

などと考えて、ぼーっとしていると、
月島 蛍
ねえ
あなた

は、はい!?

思わず声がひっくり返ってしまう
月島 蛍
なんでそんなに驚くのさ…
新しいタオル持ってきてよ
…それと、今日の自主練、よかったら付き合ってください…
あなた

あ、はい…?

自主練?敬語?と疑問に思っていると、語尾にはてなをつけてしまった
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あなた

月島先輩!タオルです!!

月島 蛍
ありがとう
素直に嬉しかった
中学の時と違って、話せる時間が増えた
そんな理想に浸ってるだけ、というのは分かってはいるが、やはりそう思わずにはいられなかった
それくらい、私はけーにいとの時間が好きだったのかもしれない
谷地 仁花
あなたちゃーん!ちょっと手伝ってー!!
あなた

今行きます!

月島 蛍
ぁ…
私は谷地先輩のもとへ走っていった
けーにいが何か言おうとしていたのは頭では分かっていたけれど、それに反応するほどの反射神経は持ち合わせていなかった
谷地 仁花
これ、持つの手伝ってくれる…?
あなた

はい
あ、こっちも持ちますよ

谷地 仁花
え、いいの?じゃあ、お願いしようかな
私と谷地先輩とその他の学校祭のマネージャーさんたちが昼食の準備を始めた
今日はどうやらカレーらしい
そんなことを考えていると、さっきのことなんていつの間にか忘れてしまっていた

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