こんにちは。ブラック会社に勤めている社畜です。
毎日の残業で疲れ切って愚痴を呟いた途端、幽霊が出てきたのですが…これはどうすればいいんでしょうか…?
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突然現れた幽霊に驚きつつ、冷静を保つ為に正体を聞く。
入社する前の俺はあまりお金を持っていなかったが、働いたらお金はなんとかなるだろうと賃貸を探していた時に出会ったのがこのアパートだった。
隣との壁も厚くて声は聞こえないし…部屋もまぁまぁ広い。そして最寄りの駅から歩いて5分。
こんなに良いアパートなのにこの部屋だけ凄く安い、それがこの部屋を決める1番の理由だったな。
事故物件だとかって話は聞かなかったし、大丈夫だと思っていたのに…
そこが1番の疑問だ。ここに3年住んでいるが、物が落ちるとか足音が聞こえるなどの怪奇現象は全く起こらなかったのだ。
その疑問を地縛霊に問うと、もじもじと服を握りながらこちらを見てくる。
てへっと舌を出して誤魔化される。
今までの愚痴や…鼻歌とか…聞かれていたのか…。顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。
それにしても…あのストレス発散法は幽霊を近づかせない力にもなっていたのか。
(え、俺のストレス発散法最強じゃね?)
心の中で最強説が浮上する。
話を聞くと、名前は笑満ということがわかった。
笑満も生きていた頃はブラック会社に勤めていたこと、4年は頑張って勤めたが残業の毎日に疲れてこの部屋で亡くなったことなど、色々なことを教えてもらった。
俺まで同じことにならないように、俺の前に現れてくれたようだ。
ニコーッと爽やかに笑いながら、手を差し伸べられる。
これは、このアパートに取り憑いている地縛霊の笑満と、ブラック会社で働いている幸掴がブラック会社を辞め、幸せを見つける為に毎日を頑張って生きるお話し。
地縛霊と過ごしているので定期的に金縛りにあいますがご了承下さい__
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。