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第7話

辞めてやろうじゃないか。


歩き慣れた道を歩きながら今までのことを考える。


地縛霊の笑満と出会ってから仕事を辞めるという夢が現実味を帯びてきた。


今日は労基署に行く日。


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▽▽


証拠は残業代が振り込まれていないことを示す為にタイムカードと通帳を。
そして先輩の証言を書面にした。


タイムカードはほぼ毎日8時間以上労働していたと分かる。


幸掴
ちゃんと伝えれば大丈夫…
幸掴
よし、行くか!


まずは行動だ。


労基署の前で深呼吸しドアを開ける。


幸掴
すみません、働いてる会社の相談をしに来ました__




▽▽




笑満
っ…


そわそわして落ち着かない。


もう夕方…そろそろ幸掴が帰ってくる頃だ。


俺ができなかったことを幸掴はしてくれる。


そういえば…俺の未練は何なのだろうか。
確かに後輩にあそこがブラックだということは伝えられなかったけれど、俺の未練はブラックだということを伝えたいとかではない。


俺の未練は…









ガチャ__









笑満
っ!
幸掴
ただいま〜


幸掴だ…!!


急いで玄関へ向かう。


笑満
おかえり!どうだった…?
幸掴
ふぅ〜…
幸掴
今度、働いてる会社に行って指導するって…!!
笑満
ということは…!!
幸掴
あの会社のやってたことが全部分かるぞ!!
幸掴
だから指導してる時に辞めれば俺もちゃんと金払ってもらって辞められる!!
笑満
良かった〜!!
幸掴
っしゃぁぁ!!


やはりタイムカードが良い証拠になったらしい。


あぁ…本当に…本当に良かった。


笑満
でもまだ気を緩めないでね、辞めるまでが幸掴の目標なんだから
幸掴
わかってる!はぁ…疲れた…
笑満
幸掴は凄いことをしたんだよ?指導が来れば残業代の手配だって色々変わるだろうし
笑満
ずっと苦しんでいた社員の人も助けたってことになる!!
笑満
本当に凄いや…
幸掴
笑満がいてくれて本当に良かった…!
笑満
っ…!




…そうだ…思い出した。



俺の未練は…









"同じ境遇の人と思いっきり話して、これからもその人を応援する" だ。









俺は話をわかってくれる人と沢山話がしたかったんだ。

俺の未練を思い出させてくれたのが幸掴で良かった。



笑満
幸掴…未練思い出した…
幸掴
えっ!?てことは消えんのか!?うそ!?えっ、えっ!?


俺の言葉に驚いたのか、おどおどと焦り出す。

笑満
ううん、消えない!
笑満
俺みたいにブラックな会社で働いてる人と思いっきり愚痴言い合って仲良くなって…
笑満
そんで、思いっきりを話した人をこれからも応援するってのが俺の未練!
幸掴
てことは…!
笑満
幸掴をこれからも応援するから幸掴がここを引っ越さない限り消えないよ!
幸掴
これからも笑満と話せるのか〜!!よっしゃ〜!色々話したいし一人暮らしだと寂しいから嬉しい!!
幸掴
それに当分ここからは引越さねぇぞ!!安いからな!!
笑満
あははっ!!


幸掴は…俺が姿を見せる前から前向きだ。
見ているだけで楽しかった。


俺は人生を途中で諦めてしまったけど、生きている限り失敗したことや諦めかけたことは何度でも挑戦できる。


幸掴はこれから幸せな人生を歩んで行くんだな…


俺はこれからもずっと見守っていこう__


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▽▽





幸掴
部長、今月いっぱいで辞めさせて頂きます

部長の前に退職願を出す。



労基署へ相談しに行ってから数日後、労基署の監督官が指導をしに会社にやってきた。


仕事の状況を見て驚いた指導者はこの会社のことを調べ会社に注意をし、会社側は社員全員の未払い分の残業代を払うことを約束したのだ。




「お前…恩を仇で返すのか!!」



俺の言葉を聞いて怒り出す。
何を言ってるんだこの人は…。
残業代を出さずに無視して、社員のことを全く考えもしていなかったのに。


幸掴
俺の気持ちは変わりません。労基署に相談したのもこの会社についていけないと思ったからです


「お前に次の職なんて見つかるわけないだろ」


幸掴
いえ、誘われている会社があります


「クソッ…なら勝手に辞めろ。今月は働かすからな」

幸掴
はい、お世話になりました


長かった3年。


指導者がいると部長も強くは言えず、暴言を吐かれたもののあっさりと辞めることができた。
休みも殆ど無く働かされ、辛かった毎日。


労基署からの指導で基本の8時間内の労働になり、夕方に帰れるようになった。


俺…今までよく頑張ったな…





幸掴
あれ…はは…涙止まんね…


薄暗い夕方の帰り道、ぽろぽろと涙溢れる。


明日は久しぶりの休み、は笑満と何をしようか。
帰ってからまずは辞めることが正式に決まったことを話して…笑満が見れてない映画のレンタル借りて一緒に見て…。


少しでも幸せなことがあれば気持ちが明るくなる。笑満の言った通りだ。


俺の新しい人生はこれからだ…


不安より楽しみなことの方が多い__


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▽▽


–数ヶ月後–





幸掴
ただいまぁぁぁ!!笑満聞いてくれ!!
笑満
おかえり!えっ!なになに?
幸掴
今日いつもの居酒屋行ったら店員さんが料理と一緒に俺に連絡先が書いてある紙くれたんだけどぉぉぉっ!?
笑満
え〜!!それって店員さんも幸掴のこと気になってるってことじゃん〜!!


無事に新たな会社へ転職できた俺は定時に帰ることができるようになっていた。


休みだってちゃんとある。


俺は当たり前の日常を取り戻すことができたのだ。


そして今日、片思いしていた女性に連絡先が書かれている紙を渡された。
紙の端には、「仕事を頑張っている貴方が好きになりました」と書いてある。


(うぉぉぉっ、頑張ってて良かったぁぁぁっ!!)


俺と笑満の関係は、会社を辞める為に協力する"仲間"から"親友"へと変わり、毎日楽しい生活を送っている。


笑満
じゃあ次は店員さんをデートに誘ってみよう作戦立てないとね!
幸掴
おう!また色々相談に乗ってくれ!
笑満
もちろん!



俺の人生は新たな幸せを掴もうとしている。


俺の名前は幸せを掴むと書いて幸掴。


名前通りの子になったじゃねぇか!


これからは最高の人生を過ごそう。
新たな生活と共に__


完.