こんにちは、社畜です。
俺の住んでいる部屋で亡くなったという地縛霊の笑満とブラック会社を辞める為、そして幸せを見つける為に共同生活を送ることなりました。
まぁ…同居人は"地縛霊"なんですけどね…。
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地縛霊と不思議な生活が始まって数日。
ガチャ__
時刻は22:30分
静かな部屋のドアを開けると明かりがついている。
ひょこっと身体を浮かせながら玄関で笑って迎えてくれる笑満。
俺はこの生活が落ち着くようになってきた。
昔はこの静かな部屋で寝ることばかり考えていたのに、今では帰って笑満に愚痴を聞いてもらいたくて帰るのが楽しみになっている。
ボフンッ!
ベッドに飛び込むのはルーティーン。
そして…
大きな声でストレスを発散するのも相変わらず。
この数日で驚いたのが笑満の存在だ。
俺は笑満に触れることはできないのに、笑満は俺を触ることができるし、物を触ることができる。
疲れ切ってコンビニ弁当しか食べてなかった俺を気にかけ、夕飯を作って待ってくれるようになっていた。
あれ?…そういえば…
ふと疑問に思ったことを聞いてみる。
幽霊は明るい所が苦手だから丑三つ時に現れるのか?とか思っていたが、違うのだろうか。
笑満は明るい所も平気で移動できるのだ。
昼でも普通に過ごしているのか…じゃあ俺が仕事でいない時とか寂しいだろうな…。
生きてる時は悲しいとか寂しいとか、感情は待ってたから、地縛霊になっても寂しいのだろうか。
自然と口から溢れた言葉に笑満は顔を赤くさせ焦り出した。
地縛霊は寂しがりやで、お世話焼きの良い幽霊でした。
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夕食を食べ、お風呂に入り終えればいつも夜の12時を過ぎている。
明日も呼ばれる…考えるだけでやる気がでない。
ふっと紙とペンを浮かせ、作戦を立てる準備をする。
今日からブラック会社を辞める作戦を考える日々が始まる__
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!