帰りの会からおよそ一時間.
家に着いて30分、もう一度学校に戻ることにした.
先生には忘れ物といい教室の鍵を貰って侵入する.
松村くんの机にある紙切れを入れた.
〝裏庭の桜の木の下にチョコをちょこっといれました〟
自分で書いたその文はダジャレ丸出しでまるで慎太郎とジェシーのようだと思った.
とりあえずそれだけを入れて家に帰った.
翌日朝イチで走って学校に向かう.
まだ生徒がいない学校の中で裏庭の桜の木の下に紙袋を置いた.
見つけようとしないと見つけられないはずなので松村くんにはやく届いて欲しかった.
授業が終わり松村くんは大量のチョコを貰っていた.
クラスのほぼ全員が松村くんのことが好きってことは前に隣だった佐久間さんに聞いていた.
佐久間さんに言われるとなんか腹立ったけど…
その後帰り道で松村くんを見かけた時、自分のチョコの紙袋をもっていたことが嬉しかった.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。