五月半ば、文化祭の準備に入る.
うちのクラスでは何をやるか丁度話し合いの最中だった.
ある男がオカマバーでもやるかと言い出しクラス中が沸いた.
誰かが京本〜ボトル持ってきて〜とふざけて言った.
まだ声変わりも身長も伸びない僕は女子同然の扱いを受けていた.
こうして文化祭では「オカマバー」をすることになった.
看板には「2年3組 ミラーハウス」の文字が.
男女逆転でバーのようにすることが決まって心が踊る.
学校には姉から貸して貰った黒のワンピースとメイク道具を持っていった.
そして用意を済ませみんなの前に立つ.
『どう、かな?』
すると拍手喝采が起こっていた.
「可愛い!」と女子から声が聞こえる.
目に入ったのは〝しめちゃん〟の相性で呼ばれている可愛らしい女の子、龍花ちゃん.
この子はニコニコしていて笑うと目が細くなる.
艶やかな茶髪の髪が魅力的で羨ましくもあり、好感が持てた.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。