あー、吹っ切れたつもりだったのにな…
そう心の中で自分との会話をしながら目的地に向かった.
家を出る瞬間までどの洋服を着るかで悩んでいたが
結局、グレーのTシャツにジーンズ.
という無難な格好にすることにした.
あんまり気合い入ってるって思われたくないし…
夏なのにあえて長袖にしたのは、日焼けが嫌なだけ.
待ち合わせ場所に着くと並んで話す3人の姿が見えた.
今思うと僕以外の3人は同じ県立高校だったっけ、
なんだか仲間はずれみたいで、たった半年前の事なのに寂しくなった.
「あ、京本くんじゃない?」
「おう京本、ありがとな。」
『うん…よろしく、ね?』
改めて合流して少しだけ懐かしいね〜なんて話をしている.
松村くんは白いTシャツに黒いパンツ、玄は白のキャミソールに短パン、と2人揃って夏を感じられる爽やかな服装だった.
一方七五三掛龍花は可愛らしいピンクのスカートを履いていてこっちを向いてクシャッと笑った.
「暑そうだけど大丈夫?」と一言を添えて.
『うん、大丈夫。そのスカート可愛いね。』
「うそ!嬉しい…ありがとう!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。