無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

21
2019/01/02

第12話

昂りの本性
エスト
エスト
…行きます!
先程とは掛け離れた速度で、紅炎に接近する。
「御子の昂り」は、エストロニアの
身体等に大きな影響を及ぼしている。
紅炎
紅炎
くそっ…動きが捉えきれねぇ…!
なんなんだ、このスピードはぁっ!?
「火焔解放」を発動している紅炎でさえ、
攻撃を弾き返したりするのがやっとである。
エスト
エスト
いえ…私はまだまだ、これからですよ。
「本気ではない」と告げるかのように、
紅炎の横を通り過ぎ、一撃を入れるエストロニア。
紅炎
紅炎
ちぃっ…!
紅炎はタイミング良くガードをする。
しかし、一撃の威力のせいか後ろに仰け反る。

体勢を立て直す間もなく、
エストロニアは接近しこう囁く。
エスト
エスト
紅炎さん、貴方は強い。
それは事実であり、
それは決して変わりません。
けれど私は、そんな貴方を
超えなければならない。
…神を支える者として、ね。
息をゆっくりと吸い込み、
静かに集中したその刹那の事。
エストロニアは、普段とは掛け離れた
一つの攻撃を紅炎に当てる。

それは、一瞬の出来事だった。
紅炎
紅炎
ぐ…っ!はぁっ…はぁっ…!
それをまともに受けていた紅炎。
思わず、その威力にがっくりと膝をつく。

「火焔解放」の副作用に該当する
身体への負担が現れた訳ではなかった。


攻撃の威力に衝撃と絶望を
突きつけられながら、
紅炎はその場に倒れ込んだ。
紅炎
紅炎
あー…情けねぇ!
なんで気づかなかったんだよ、私は…
私は最初っから、油断してたんだ…!

あの月詠未玖の子孫なんだ。
ぜってー何かはある。
それはなんとなく、
分かってたつもりだった…。

けど、私は甘かったんだ…!


ちくしょう…
これじゃ、情けねーな…

「夢月楓」の、
一人の戦友としての面目が立たねぇ…
覚醒したエストロニアとの
力の差を実感した影響か、
紅炎から思わず悔しさが溢れ出す。

その悔しさは、楓にも未玖にも伝わっていた。
紅炎
紅炎
くっそー…完全に私の負けだ。
エストロニア、アンタは強い!
私としては、それが
分かっただけでも充分だぜ。
エスト
エスト
そうですか…有り難きお言葉です。
如月紅炎さん。
貴方も素晴らしい強さでしたよ?
紅炎も気が済んだのか、
エストロニアに面と向かって降参を告げる。

こうして、エストロニアと
紅炎の戦いに決着が付いたのである。
紅炎
紅炎
まあ、特に後悔はしてねーからな。
言うなら、エストロニアのこんな強さを
引き出しちまった…って事くらいだ。
エスト
エスト
ふふ、そうなのですね…
私としては、貴方の持つ能力…
「火焔解放」が興味深いです。
宿っていた能力なのですよね?
紅炎
紅炎
ま、ここまでやって敵わないのは
正直予想しなかったけどな…
紅炎は満足そうに「火焔解放」を解く。

エストロニアという、一人の御子の強さを
目の当たりにしたからだろう。


それを見たエストロニアも、
昂りを抑えるのだった。
エスト
エスト
あっつ…!?なにこれ…
「昂り」を抑えたエストロニアは、
身体が火照っているかのように
熱くなっているのを感じた。

「昂り」と言っても、
身体における突然変異である。
未玖
未玖
お疲れ様、エストロニア♪
昂り、凄かったね〜?
未玖もエストロニアの強さに満足しているのか、
少しずつエストロニアに近づく。
エスト
エスト
お母さんはこうなる事も詠んでたの?
未玖
未玖
ううん、違う違う…
詠んでたのは、うちじゃなくて楓くん♪
楓
エストロニアは君の子孫なんだ。
未玖…君は読めないからこそ、
途中から強さに目覚めるなんて
選択肢も充分有り得る。
これなら、子孫であるエストロニアにも
反映されると読んでたんだ。
エスト
エスト
流石は「夢と幻」を司る人…
読み具合が凄く鋭い…
紅炎
紅炎
サンキューな、楓。
久々に楽しませて貰えたぜ!
…んじゃ、またいつかな!
楓
うん、ありがとうね…
楓と未玖を見るようにして、
紅炎は去っていった。
エスト
エスト
お母さん…
今のあたし、充分護衛者なのかな?
「時を司る神」を支える、
「時を司る御子」かな…ってね。
未玖
未玖
大丈夫、心配しなくても平気だよ〜?
成長してくれてるだけでもいいの。
うちは、それが嬉しいんだから♪
エスト
エスト
あはは、お母さんらしいね…
うん!あたし頑張るよ…!
いつか、お母さんみたいになるから。
未玖
未玖
お〜、言うね♪
楓
とりあえず、これでいい感じかな?
未玖とエストロニアが
話を落ち着かせたところで、
先程まで話を聞いていた楓が口を挟む。


楓は、「役目を果たしたから充分だね」と
未玖にそう告げ、この場を去っていった。