第4話

力を伸ばす才能
17
2018/11/04 11:15
エスト
エスト
(まずい…非常にまずい…)
遭遇してはいけないタイミングで、
未玖と楓が遭遇してしまった。
どう考えても、修羅場にしかならない…


今のエストロニアには、それしか言えなかった。
楓
未玖…あの人は?
もしかして、君が前に言っていた…?
未玖
未玖
うん、そうそう…
あの子がエストロニア。うちの子供。
そして、うちの後継者♪
エストロニア自身の予想とは、全く別の展開だった。


エストロニアが心配する必要はなかったらしい。
エスト
エスト
(お母さん…恥ずかしいって…)
未玖
未玖
もー…全く…
うち、ずっと待ってたんだよ?
楓
あはは、ごめんごめん。
僕の動き、「模擬」してたんだね…
でも、まだ「発展」させれるよ。
エスト
エスト
えっ!?
本人から「まだ未熟」であるという
事実を聞かされ、
エストロニアは思わず声を出してしまった。
楓
君がエストロニアか…
僕は夢月楓。彼女とは、
少し前に知り合ったんだ。
エスト
エスト
あ、そうなんだ…
お母さん…迷惑とかかけてないですか?
最近、「自由奔放」だって聞くし…
楓
いや、全然平気だよ?
むしろ、彼女はいい人だ…
よく分からない時もあるけどね。
エスト
エスト
(やっぱりお母さんは、
何処でもお母さんだったんだ…)
楓
未玖…僕を探してたって言うけど
いきなりどうしたんだ?
何かあった?
未玖
未玖
エストロニアは、うちと過ごすうちに、
「時を司る御子」になった…。
だけどまだ、その伸び代がありすぎる。
だから、楓くんと一緒に
エストロニアを支えてあげたい。
エストロニアのお母さんだから…
普段は能天気に、物事を伝えたりする事が多い未玖。

自分が探していた人物ともなれば、
流石に「いつも通り」では居られない。


エストロニアは黙りながら、
未玖の本当の目的を知っていく。
楓
…大丈夫、心配は要らない。
君の子供なら、まず「強さ」を知る事で
手詰まりになるなんて事はないね…
自分とは全く別の強さを知っても、
立ち向かえるはずさ。
エスト
エスト
(あたしとは、全く別の強さ…?)
楓
それの宛はある…
呼ぶのには時間はかからないから、
すぐ体感することも出来るよ…
やってみる?
エスト
エスト
…はい!もちろんです!
未玖と楓の「再会」は、
普通では考えられない程平然とした再会になった。


楓が用意したと言う、
エストロニアとは全く
別の「強さ」とは何なのだろうか?


それは、本当にエストロニアを強くするのだろうか?
しかし、これが後にエストロニアを
大きく成長させるという結末になる事を、
未玖とエストロニアは知らないでいた。


簡単にいえば、楓だけが
「予測」できていた事である。

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