お互いを睨み合うような形で、
お互いがそれぞれ攻撃を仕掛ける。
今の一撃は、相打ちに等しい。
そのまま譲り合う様子もなく、
互角の衝突を続ける二人。
しかしここで、紅炎が攻撃に転じた。
紅炎自身が、一番自信のある形でもある
「速撃」と「派生」を生かした連撃。
しかし、それに臆することなく、
エストロニアは紅炎の攻撃を弾く。
そして、すぐさま前を見据える。
エストロニアの意思は、
「紅炎と戦う」という事に一途であった。
未玖は、エストロニアからいつにも増して
強気な姿勢が表に出ているのを感じた。
未玖からしたら、嬉しい成長なのかもしれない。
突如として、紅炎から「気」が発せられた。
その気が通常ではないことも、
エストロニアはすぐ理解出来た。
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『「火焔解放」についての解説』
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紅炎から発せられた気は、
ただひたすらに「燃えていた」。
エストロニアは隙を伺おうとするが、
この感じたことのない熱さもあってか、
何かをする余裕はなかった。
「燃えるような熱さ」を身に纏った紅炎は、
自分を奮い立たせるかのように、
真っ向勝負に出ていった。
二人の目的で唯一、一致している事。
自分とは異なる、「強さ」を体感する事。
二人の勝負は、まだ始まったばかりだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。