無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話
11
2021/07/03

第1話

初めての出会い
何度も季節が駆け巡り、ついに高校生活が
 始まった——
 
 
「はぁねみー」
「馬鹿かよ」
 俺は今日入学したばかりの高一だ。まあ別に、新しく入学したからと言っても大して勉強してこの学校に入ったのではなく、家に一番近かったという理由だけどなー。
「ねぇお前彼女とか作る予定あんの?」
「まあぼちぼちなぁ」
 さっきから話してるのは小学校からの同級生でたまたま家が隣でたまたま中学校も同じで、たまたまクラスも毎回同じだったから、つるんでいる。こいつは何故かモテる。ああ。
 マジでウザイくらいにモテる。なんか常に彼女いるみてーだし、バレンタインは大きめの袋二袋がパンパンになるくらい貰っていた。だがしかし!こいつの性格は決して良い訳ではなく、ちょうど家にあったからという理由で、ゴミ袋二袋にバレンタインチョコレートを入れていたのだ。ウザイ。おかしいだろ。
 ちなみに俺はバレンタインゼロ個だ。おいおい待て待て。ひとつくらい貰っているんじゃないかって?答えはNOだ。俺は絶望的にモテない。そこでだ。俺はバスケ部に入る。何故かって?女の子はスポーツの出来る男が好きらしい。少女漫画で読んだ。ん?待てよ?部活——部活ねえ——。だりいいいいいいいいい————————
 
 
 てなわけで俺は部活に入らずに彼女を絶対に作ってやる!
「ねえお前ってなんでそんなモテるの?」
 まずはモテるやつを徹底的に調べる必要がある。そのためにこいつを利用してやろう。ん?そういえばこいつの名前なんだっけ?あーそうだそうだ、こいつの名前は『赤森賢人』かー忘れてたぜ!ちなみに、俺の名前は山川翔太だったけな。
「は?俺がモテる理由?そんなの決まってんだろ?才能だよ才能。やっぱ誰かさんとは違うオーラがあるって言うか〜見えちゃうんだなー女子には俺の魅力がねー」
 うわぁーまじでキモイ。冗談抜きでキモイ
「お前まじでキモイ。冗談抜きでキモイ。」
 俺は思ったことそのままを言った。
「まあお前が何考えてるか知らねえけどなぁお前にもそのうちかわいい彼女ができるんじゃないの?」
 ほんとにこいつは励ましてくれているのか、面倒臭いから適当に済ませようとしてるのか分からない。
「でも真面目な話俺女子と話すのが苦手んんだよなーなんか気まずいっていうか、怖いんだよね。」
 事実だが、口に出すと恥ずかしい。
「お前マジでこじらせてるよなー」
 心配してんのか煽ってんのかわからん。
「そうだ!入学したばかりなんだから女子に話しかければいいじゃん!みんなフレンドリーに話してくれるって!」
 こいつは簡単にそういうことを言う。女子に話しかけることが出来ないからこうして悩んでいるというのに——
「いやそんな険しい顔すんなや!気軽に行けって!」
「あーもううっせえな!やればいいんだろやれば!」
「おう!頑張れよ!」
 ぐぬぬ——ああは言ったものの、誰に話しかけたらいいんだ。女子は女子同士でキャッキャキャッキャ話してんだろーが。それなのに俺が割り込んでも迷惑なだけだろう。ん?あの人——教室の隅に一人で読書をしている女子がいた。珍しい子もいるもんだ。だが、ああいう子は人と話すのが苦手なのか、誰かと話したくないのだろう。読書をしているのは、話したくありませんとアピールしたいからなのだろう。
 
 
 
「あ、あのー」
 え?俺は驚いた。さっき話しかけようとしたがやめた、読書ちゃん(仮名)が俺に話しかけてきたのだ。
「え、な、何?」
 あーもうまたやってしまった。びしっと言えずにキョドってしまった。
「さっき私の事見てましたよね?えっ勘違いだったらすみません。」
 もしかしてこの子も異性と話すのが苦手なのか?だったら仲良くなれるかもしれん!
「あーごめん。なんの本読んでるのかなーって気になって。」
「私の読んでる本に興味を持ってくださるのですか?嬉しいです。この本は早乙女光という人の書いた『束縛愛の崖~崩れ落ち、朽ちていく感情~』という本です。
 だっ題名怖!え?この子怖いんだけど——
「へっ へー面白そうだね。今度読んでみようかなー。」
 なんか気持ち悪い返答になってしまった。
「あなたも本が好きなのですか?」
 まぁ聞かれるだろーなーとは思ったけど、こういう時ってなんて答えるべきなんだ!?[#「!?」は縦中横]下手に『好きだよ』とか『よく読むよ』とか言って本について質問とかされたらやべえからなー。うーんここは無難に、
「結構好きだよ。あんまり詳しくはないんだけどね——」
「へーそうなんですね。ところで、もし良かったらの話なんですけど、ら、Limeとかってやってますか?」
 おーーーキターーーLime交換の流れだー少女漫画で呼んだことあるやつーーーまじかよ。ちょっと見てただけなのに、Lime交換の流れまで来ちゃったよ。もしかして俺って天才なの?経験皆無に見せかけた天才なの?
「あーLimeね。やってるよ。」
「もし良かったら交換してくれませんか?」
「あー全然いいよ。交換するか、」
 はいキター完璧だわ初カノゲットも同然なんだけどぉぉぉぉ——————ん?待てよ?Limeって——どうやって交換するのぉぉおおおお——————
 
 
 ふぅ。落ち着け落ち着け俺。Limeのアプリならしっかり入ってるじゃないか、(友達はゼロ人だが——)大丈夫だ。こんな超人気の日本人が誰しもやっているアプリの、初歩的な機能くらい、問題ないだろう。俺はLimeの使い方も分からないまま、眠りについた。
 次の日——
 朝僕は、学校にスマホを持っていった。え?学校にスマホを持っていくのは当然のこ
 とだって?ふっふっふ、僕の非リア力を舐めるなよ!スマホなんて毎日学校に持っていくわけないじゃないか!——はぁ……
 
 
 学校に着くと、読書ちゃんが当然のように本を読んでいた。あれ、この子の名前って本当はなんだろう。聞いたこと無かったけ。まじかよ。
「ねぇ。ちょっと、、いい?」
 僕はなれない手つきで話しかけた。
「そういえば、君の名前ってなんて言うの?」
 よく考えると頭のおかしい質問だな——Limeの交換の約束をしている人に、今名前尋ねるとか。
「あーえっと言ってませんでしたっけ。私の名前は横井桜です。」
「あっそうなんだ。ありがと、ちなみに僕は山川翔太。」
「ふふ。なんか面白いですね——さて、Limeの交換をしましょう!」
 この瞬間——少し桜ちゃんと仲良くなれた気がした。そして、経験皆無魂が少しだけ疼いた。
 俺はなれない手つきで横井さんとLimeの交換を行った。
 
 ****
 
 ~放課後、ハンバーガー屋にて~
「聞け!赤森!」
「おお、うるせえぞぉどうした?」
「俺ッ彼女できるかも!」
 俺は横井さんのことを、包み隠さず話した。
 
「ふーん、まぁLime交換までいったんならいいんじゃね?」
 うぅわこいつきしょぉおお
 人がめっちゃ頑張ってクラスの女子とLime交換したのにさあ、いいんじゃね?はないやろ。
 なんか、つらいわ。
「で?いつデートすんの?」
 赤森頑張って性懲り(しょうこり)も無く聞いてきた。
 相変わらずウザイ。
「は?デートの約束なんてしてねぇよ」
 俺がデートの約束まで済ませられるのなら、この世に彼女いない歴=年齢なんていない。
「いやまじかよ。じゃあ今誘えよ。」
 えっ無理だからまだやってないんじゃん。
 頭ミジンコ?それともゾウリムシ?アオミドロ?いまならあだ名選び放題だけど…
 どうでもいいけどさぁハネケイソウって可愛いよね。
「どうやって誘ったらいいんだよ。」
「なんのためのLimeだよ!」
 あーそっか。Limeという手があったか、これなら楽てぃんてぃん。
 いや待てよ?Limeの方がキツくないか?
 よう考えろ。通常の会話ならば、返事の返答の時間に制限がある。しかしLimeは違う。
 通知欄でバッチリ内容を確認した上で、『うわ〜デートとかキッも』というふうに、あえて無視することが出来てしまう。
 それなのに、相手は無視しているのに、こちら側は、相手の送信をワクワクドキドキニヤニヤムラムラしながら待っている状況が目に浮かぶ。
 なんか、つらいわ。
「お前、またこじらせてるな。」
 赤森が弱者を見る目で俺に言ってきた。
「拗らせんのも大概にしとこーぜ、俺も他人事(ひとごと)にはしねぇからさぁああ」
 それもそうだな。
 Limeでいっかぁ
 俺は赤森とあーだこーだ言いながら神みたいな文章を作った。
 『Lime交換してくれてありがとう。
 もし横井さんが良かったらなんだけどさ、土曜日に映画でも行かない?』
 どうだ。我ながら素晴らしい文章だろう。
 30分掛けて考えた甲斐(かい)があったぜ。
 
 ふと時計を見ると、時間はもう6時を回っていた。
「そろそろ帰るかぁ」
 俺たちは解散した。やべぇ返信来るのめっちゃ楽しみ。
 これで既読無視なら死ぬわぁ。
 俺は3分毎に通知を確認しながら、結構前に赤森から借りて、借りたことを忘れてた少女漫画とやらを読んだ。
 ふぅ…  何言うてるかわからん!
 大体なんだよこれ、『お前さぁ、俺のこと好きだろ。照れてねぇで早く俺に飛び込ん出こいや。』
 なんやねんこれ、拗らせすぎにも程があんだろーが。てかこれでヒロインこいつのこと好きじゃなかったらくっそおもろいやんけ。
 独り身が馬鹿みたいに少女漫画に突っ込んでいると、スマホが鳴った。
 俺はスマホが鳴った瞬間に漫画を閉じてスマホに飛びつき、Limeを音速で起動させた。
 Limeを開くと、俺は思わず目を疑った。
 『土曜日ですね。いいですよ。楽しみにしています。』
 おお、パネェ。やべぇよ。
 俺デートすんのかぁ。まじかァ。
 ん?デートってどうやってすんねん!
 
 ****
 
 ~デート約束の翌日、赤森とカフェにて~
 
「率直に訪こうか!デートってどうやってするんだ?」
 俺は赤森にデートの仕方について訊いてい
 た。
「率直に言おう!ノリと勢いだ!」
 こいつに訊いた俺が馬鹿だった。
 こいつがまともな答えを言う筈も、知っている筈もない。
 こいつは本当にノリと勢いだけで突っ走ってきた男だ。俺みたいな天才的頭脳の持ち主とは訳が違う。
「まともな答え訊いてんだけど。」
 俺はキレ気味に言う。実際結構キレている。
「まぁまぁ、そんなに深く考えなくてもさぁ、横井さんだってそんなに経験ないだろうし、楽しめばいいんじゃないの?」
 ごもっともだ。デートというデートを楽しむっきゃないかぁ。