第25話

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2022/10/20 12:31
Mizuki_
戻りたぃ……っ。

そうだ…今思い出した…。

俺が教室に行きたくないのは、この空気が嫌いだからだ…っ。
「それ、やば笑」

「だからぁ!笑」

「ね、昨日の見たー?」

「かっこよかったよねー!?」
意見を交換し合う時間なのに、聞こえてくるのは全然違うことばかり。

教室でみんなが騒ぐ声が俺の頭に響く。

嶺亜と矢花が俺を囲んでくれてるけど、聞こえる声は聞こえる。

無理で、限界で、ボールペンをカチカチカチカチと、何回もノックした。

それに気付いた藤井先生は、俺に『ごめん!』と、手を合わせた。

そして次の瞬間
藤井「みんな静かに!!関係ない話しないの!」

「「……はーい、」」
みんな、先生のいきなりの怒号にびっくりしたのか、さっきの空気が嘘のように静かになった。
嶺亜「……保健室戻ろっか?」

瑞稀「……うん」

矢花「あ、俺言ってくる」

瑞稀「ありがと……」
俺がそう言うと矢花は先生の元に行って報告してくれた。

先生がOKサインを出したのを確認して、俺は嶺亜と教室を出る。
瑞稀「嶺亜…ごめんね……」

嶺亜「謝ることじゃないよ。よく頑張ったね」

瑞稀「うん……。……も、ここからは1人で大丈夫…。ありがとう」

嶺亜「わかった。じゃああとで」

瑞稀「うん…」
嶺亜と分かれて、俺は小走りで保健室に行った。

早く、戻りたい……っ。

助けて……っっ。

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