Mizuki_
蒼弥「え…龍斗休みなの…?」
先生の『龍斗休み』の報告を受けて、わかりやすくショックを受ける蒼弥。
そりゃそうだ。
だって今日は1年生の選択科目の説明会。
一緒に行くって約束してたもんね。
蒼弥「龍斗…休み……」
瑞稀「蒼弥」
蒼弥「…?」
瑞稀「蒼弥。行きたい?説明会」
蒼弥「行きたくない…!でも…行かないと、わかんないから……っ」
瑞稀「1人じゃ無理?」
蒼弥「無理っっ。龍斗がいなきゃ、行けない…っ」
瑞稀「大光くんと龍我くんがいても?」
蒼弥「…!!……それ、は…っ」
瑞稀「3、4時間目の1時間でもいいから頑張ってみない、?……俺も、教室行くから」
俺がそう言うと、ずっと俯いてた蒼弥がばっと顔を上げた。
驚いてるような、心配してるような。
そんな顔をしてた。
当たり前だと思う。
俺が教室に行くなんて滅多にない。
蒼弥が休みの日にしか行かないから。
蒼弥と龍斗、涼がいる時は教室行かない。
先生が『瑞稀がいると安心だから。本当に行きたい時だけ行ってね』って言ったから。
だから、基本ずっと保健室。
そんな俺が突然教室に行くなんて言ったらそりゃ誰でも驚く。
そんな表情になるよ。
蒼弥「でも…でも…っ」
瑞稀「蒼弥が頑張ってくれたら俺も頑張れるな」
蒼弥「………っ」
瑞稀「…だめ、?」
蒼弥「…っわかった。行くっ」
瑞稀「ほんとに?」
蒼弥「うん…っ」
瑞稀「無理してない?」
蒼弥「だいじょぶ、」
瑞稀「じゃあ…俺も頑張るね」
蒼弥「うんっ」
瑞稀「先生」
優斗「ん?」
瑞稀「体育館まで蒼弥に着いて行ってあげてね」
優斗「了解。じゃあ、2人とも3、4時間目行くでいいね?」
瑞稀「うん」
蒼弥「いーよ、」
優斗「わかった」
って先生は頷いた。
『いーよ、』っていう蒼弥は俺の手をギュッ手握りしめてた。
無理させちゃったかも…。
俺があんな圧かけなきゃ良かったかな…。
これで蒼弥に何かあったら、絶対責任取る。
蒼弥に無理させちゃった分、俺も頑張らなきゃ。
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『俺らの保健室事情』の美少年ver.です。
良かったらぜひこちらもどーぞ。
よろしくお願いします
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。