Soya_
昼休み。
涼くんと大輝さんがカーテンの奥で話している。
俺も『ありがとう』って言いたかったけど涼くんが先って瑞稀くんが。
だから2人が話終わるのを瑞稀くんと話しながら待つ。
数分くらい待ってると、2人がカーテンの奥から出てきた。
瑞稀「あ。終わったの?」
涼「うん。ありがとう瑞稀」
瑞稀「全然。2人が仲良くなってくれて良かった」
大輝「瑞稀もありがとう」
瑞稀「そんなの全然だよ」
って話してる3人の間に俺が入れるわけなくて、思わず瑞稀くんの裾をぎゅっと掴んだ。
それに気づいた瑞稀くんは俺の頭を撫でた。
瑞稀「蒼弥。次は蒼弥の番だよ。ちゃんと言える?」
蒼弥「言える…。大輝、先輩…」
大輝「え、俺?」
蒼弥「あの…この前は、助けてくれてありがとうございました、!」
大輝「あぁ…もう大丈夫?」
蒼弥「はい、」
大輝「なら良かった。気をつけなね」
蒼弥「はい、」
大輝「うん。じゃあ俺行くから」
瑞稀「うん。ほんとにありがとね」
大輝「全然。じゃあね」
そう言って大輝さんは保健室を出て行った。
緊張して目が合わせられなかったけど言えて良かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。