第38話

終戦
818
2022/11/30 14:19
三神 大輝
いい天気だなぁ…
昨日は色々あったな
小峠 華太
どうしたんだこんなところで
三神 大輝
小峠さん!
三神 大輝
昨日のことを思い出してました
小峠 華太
そうか、俺はお前の味方だからな
三神 大輝
俺、嬉しかったです。仲間って言ってくれる人なんて久しぶりだったので…
心から信じられると思った人も久々
小峠 華太
大輝、教えてくれないか?
お前の過去について
三神 大輝
小峠さんになら教えてもいいですよ
俺は生まれてから今までのことを簡単に話した
小峠 華太
…一つ聞いていいか?
三神 大輝
はい?
なんだ?今話におかしいところあったか?
小峠 華太
前々から疑問に思っていたんだが…
小峠 華太
なんでお前は組に入るのが嫌なんだ?
今の話を聞く限りでは友達に裏切られても組に裏切られたとかはなさそうだが…
三神 大輝
あー…それはですね…
ダッダッダッ
モブ1
モブ1
こ、小峠の兄貴!
小峠 華太
どうしたモブ里
モブ1
モブ1
親っさんがお呼びです!
どうやらき、京極組の五十嵐が来たようです!
小峠 華太
、わかったすぐに行く
小峠さんはそのまま行こうとした
三神 大輝
待ってください!
小峠 華太
なんだ大輝、急がねぇと…
三神 大輝
俺も行きます。
この機会を逃したらダメだ
俺は真剣に小峠さんと向き合った
三神 大輝
俺を連れて行ってください
小峠 華太
……わかった、来い
小峠さんは何故かふっ、と笑いながら歩いて行った
俺は断られると思ってたから戸惑いながら着いていく
〜親っさんの部屋〜
部屋に入ると五十嵐さん、天羽さん、そして殺気を放った金髪の人がいた
五十嵐さんは緊張しているのか、俺が居ることにすら気づいていないみたいだ
組の運命を決める大事な話だもんな
緊張するのも当然だと思う
俺たちが天羽さんの隣に立つと話が始まった
*大輝は親っさんと今までも会議に出ているから何も言われない、って言う設定。都合が良いです。
天羽 佳司
ウチと京極組は抗争中だ
話によっちゃあ生きて
帰れねえぜアンタ
五十嵐 幸光
天羽親分
時間をくださったことに
感謝いたします
五十嵐さんは冷静に話を始める
と、思った
五十嵐 幸光
天羽親分
五十嵐 幸光
死んだ日下のしでかした事を
詫びさせてください!!
五十嵐 幸光
申し訳ありませんでしたぁ!!
なんと五十嵐さんは頭を地面につけて土下座した
天羽 佳司
むう…
その言葉に返ってきたのは
納得がいかないという顔だった
いきなりそんなことを言われても納得できないだろう
五十嵐 幸光
京極組はシマである黒篶街で
ヤクをばら撒かれた事に
対する報復として
五十嵐 幸光
天羽組の北岡氏を討つことに
当初大義があると思っていました!
五十嵐 幸光
無論それを実行した一条も
そう思っていました!
しかし!
五十嵐 幸光
それは死んだ日下の
醜い我欲のためであり
利権を守り私服を肥やすためと
判明しました!
五十嵐 幸光
我々にもはや
大義はありません!
どうか手打ちとさせて
頂けませんでしょうか!
実際一条さんは俺が止めたけど北岡を殺そうとしたことに変わりはない
正直これで天羽組が収まることはないと思う…
天羽 佳司
アンタ何を言ってるんだ…
北岡を殺ろうとした一条を殺るまで
天羽組は止まらんよ
五十嵐 幸光
お怒りは重々
承知しております!
ただ聞いて
頂きたいのは
五十嵐 幸光
京極組は組長である日下孝次郎
そして白武利光を失い、相良颯誠は怪我を負っています!
五十嵐 幸光
天羽組におかれましては
冨樫宗司 北岡隆太の両名が
この抗争で重傷を負いました!
冨樫宗司に関してはいまだ意識が戻っていないと聞いております!
五十嵐 幸光
天羽組にとって何にも
変えがたい存在であると
承知しております!
五十嵐 幸光
ですがどうか天羽組2名
京極組3名の犠牲という事で
収めて頂けませんでしょうか!
改めて聞くと被害は大きかったのだと実感する
ここから話はどう進むのか全く予想できないな
天羽 佳司
ダメだねえ
天羽 佳司
まず白武って男は
ウチの妻を狙った
仁義外れだ 死んで当然
数に入れないでもらいたい
天羽 佳司
ウチの二人と
京極組の三人じゃあ
釣り合わねえな…
あぁ、白武ね…
いや俺も一瞬助けようと思ったよ?
でも仁義外れって虎徹が言ってたから…
仁義外れ助けるのは嫌だし
天羽 佳司
それにアンタ等は
親を殺られてる
天羽 佳司
そんな弱腰じゃあ
渡世の笑いもんだ
確かに天羽さんの言っていることは正しい
渡世では親を殺されれば仇を討つのは当然の事だ
天羽 佳司
腐ったもんだな京極組も
天羽 佳司
親は外道
カシラは腰抜けか
五十嵐 幸光
っ…
天羽さん、わざとやってるのかな
五十嵐さんのことを試してるんだろうか…
五十嵐さん…
五十嵐 幸光
天羽組長…
五十嵐 幸光
腰抜けかどうか
コレを見てください
!?五十嵐さん何を…
そんなもん隠しとったんか
クソガキャアア!
多分皆様野田の兄貴のイメージ黄色だと思うんですけど黄色がもうないので黒にしました
天羽 佳司
野田 待てえ!
大丈夫だ!
クソガキって、あなた何歳ですか!
五十嵐 幸光
受け取ってくださいや…
五十嵐 幸光
フン!
ザクッ
三神 大輝
えっ
五十嵐 幸光
これくらいじゃあ
足りませんよ…
五十嵐 幸光
ねえ!
ザグッ
小峠 華太
うおおおお…
小指を飛ばした、一呼吸の間に
わかってる、これでも償えないと思う
俺も軽い気持ちで来たわけではない
でも…
やっぱり見ていて辛い
三神 大輝
っ、
ダメだ、目を…そらしたら…ダメだ
五十嵐 幸光
天羽組長…
ウチの一条を殺してどうしますか
五十嵐 幸光
一条は人望も厚い
必ず報復合戦になります
五十嵐 幸光
そして本音を
言わせてください…
五十嵐 幸光
俺は命に変えても
一条を守ってやりてぇ
五十嵐 幸光
アイツは親の命令を
忠実に守っただけなんです
五十嵐 幸光
天羽組もそうでしょう…
親が黒と言えば白も黒のはずだ
五十嵐さん
五十嵐 幸光
天羽組はいいですよ
天羽さんみたいな人格者が親だ
五十嵐 幸光
だが京極組は違った…
親が腐っていた
五十嵐さんっ、
五十嵐 幸光
その責任を若いもんに
取らせるのは
五十嵐 幸光
お門違いってもんじゃない
でしょうかああああ
嘘だ、五十嵐さん、嫌だっ
五十嵐 幸光
日下が死んだ今全ての責任は
カシラである私の責任!
五十嵐 幸光
ここで私が死ぬ!代わりに若い衆を
生かしてくれえええ!
三神 大輝
五十嵐さんっ!ダメだ!
嫌だ…やめてくれ!
五十嵐 幸光
うおおおおおおお!
五十嵐 幸光
これが五十嵐幸光の
死に様じゃああああ!
三神 大輝
五十嵐さんっっ!!
五十嵐さんが振り下ろしたドスは












どこにも刺さらなかった
五十嵐 幸光
う…お…
小峠 華太
親っさん
小峠 華太
止めて良かった…ですよね
三神 大輝
こ…小峠さんっ!
何故なら小峠さんがギリギリで、刃を止めたからだ
天羽 佳司
ああ、小峠
よく止めてくれた
天羽 佳司
お前さんは
俺の心が読めるんか
天羽さんは少し口角を上げ、五十嵐さんに近寄る
天羽 佳司
京極組若頭 五十嵐…
あんたの覚悟はよくわかった
天羽 佳司
保身や命惜しさじゃねえな
京極組の未来のためか
五十嵐 幸光
はい…
天羽 佳司
あんたの言う通り
こっちは親を殺っている
天羽 佳司
だがな 最初に殺した方が
…罪が重いんだよ
天羽 佳司
ましてや我欲にまみれた殺し
報復は正義だ
五十嵐 幸光
全くその通りで
ございます…
天羽 佳司
一方で一条が日下の
指示に従ったことも理解できる
天羽 佳司
彼を殺せば10年近く
戦争になるだろう…
天羽 佳司
そしてアンタ…
自分がここで死ねば
天羽 佳司
両方の組が止まる
理由になると思ったな?
五十嵐 幸光
…はい お見通しで
本当にすごい、相手の正しい意見を素直に受け入れてその上考えを読むなんて
その上で判断をする
やっぱり天羽さんは素晴らしい人だな
天羽 佳司
その我欲なき
行動を評価する
天羽 佳司
手打ちの条件を出そう
やっっっっったぁぁぁ!
手打ちだ!夢じゃないよな?
嬉しいっ!五十嵐さんも、切腹しなくて良かったぁ…
そして天羽さんが手打ちの条件を出したのだが…
天羽 佳司
まずは詫び料
天羽 佳司
3億だ…
五十嵐 幸光
うぅ!
さんお…
天羽 佳司
そして空龍街と朱雀町に関して
京極の人間は永久にシノギをしない事
天羽 佳司
ただ黒篶街には用があれば…
ウチのモンが出入りしますがね
その条件はあまりにも不平等なものだった
五十嵐 幸光
わ…わ わかりました
でも五十嵐さんは迷う事なく条件を呑んだ
こんな事をして許してもらってるんだ、
それならば安い…はず…
、とか思ってそうだな
〜〜〜〜〜
天羽 佳司
アンタのケジメは
確かに受け取った
天羽 佳司
たった一人で
ご苦労だった…
五十嵐 幸光
光栄です……
では失礼します
そう言って五十嵐さんは去っていった
〜〜〜〜
三神 大輝
…ハァッ、ハァッ、っ五十嵐、さん!
五十嵐 幸光
お前は確か…三神大輝、だったか
俺はあの後屋敷を出て
急いで五十嵐さんを追って走ってきた
五十嵐 幸光
…ちょうど良い、一つ聞いてもいいか?
五十嵐 幸光
お前は何故、あの場に居たんだ
三神 大輝
貴方の…五十嵐さんの覚悟を見たかった
ただ、それだけです
五十嵐 幸光
こないだも言ったがお前は
ウチのモンじゃない
五十嵐 幸光
なのにそこまでする理由はなんだ
三神 大輝
俺は、この戦争で天羽組と京極組に死者を出さないことをずっと思いながら関わってきました
三神 大輝
そうしている内に
勝手ですが俺は、俺の心は
天羽組と京極組のものになっていました
三神 大輝
この人たちの役に立ちたい、守りたい、命をかけてみたい
そう思いました
三神 大輝
だから俺は貴方の覚悟をどうしても見たかった
三神 大輝
命はもう組に預けているつもりです!
俺は息を吸うのを忘れてしまうほどに
今の気持ちを全力で五十嵐さんにぶつけた
五十嵐 幸光
フッ、がははは!
五十嵐 幸光
ハァー…おもしれぇな、お前
五十嵐 幸光
親父の認識なしで勝手に命預けてる
奴なんて居ねぇよ
真面目に言ったのに五十嵐さんの笑いでなんだか気が抜けてしまった…
五十嵐 幸光
お前は仲間思いなんだな…
五十嵐 幸光
よしっ、気に入った
五十嵐 幸光
大輝、お前は今日から仮京極組だ!
三神 大輝
か、仮?
五十嵐 幸光
だってお前天羽組にも命預けてんだろ?
ならどっちも入ってるように仮だ
天羽組にはお前からちゃんと話しとけよ
五十嵐 幸光
まぁ仮って言っても名前だけで京極組はお前を一員として歓迎するからな
三神 大輝
はいっ!嬉しいです!
俺にもこんな大切な存在がまたできるなんて思っていなかった
五十嵐 幸光
じゃあ今から京極組に行くか
五十嵐 幸光
アイツらに報告しないといけねぇしな
三神 大輝
俺も着いていきます、五十嵐さん
五十嵐 幸光
気になってたんだがどうやって天羽組にタイミングよく行けたんだ?
三神 大輝
ああ、それはですね…
五十嵐さんと喋りながら歩いていたら京極組に着いていた
三神 大輝
あ、着きましたね
五十嵐 幸光
もう全員集めてある、行くぞ
三神 大輝
はい!
See you next time













えーと、まず初めに
全然投稿出来ず申し訳ありませんでした
実は11月中忙しくてスマホを触れる時間が少なかったので投稿できませんでした
最後を引き伸ばしている感じになってしまっていてすみません。
これからは仕事も少なくなるので
結構投稿出来ると思います
あと話の構成と区切るところが自分でもすこしわからなくなってしまったので、3000文字を超えてしまいました

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