第58話

#親友
554
2020/06/24 04:37















あなたの彼氏です

あなたが入院してから3日がたった

3日たってもまだ起きる気配はない

お医者さんも少し難しい顔をしていた

はよあなたの可愛ええ声聞きたい…

















コンコン







永瀬 廉
永瀬 廉
はい
竹下 ミミ
竹下 ミミ
竹下ミミです
永瀬 廉
永瀬 廉
あ、はいどうぞ
竹下 ミミ
竹下 ミミ
お邪魔しますー…
永瀬 廉
永瀬 廉
わざわざありがとうございます
竹下 ミミ
竹下 ミミ
いえ、大切な友達なので
お花…どこ置きましょうか?
永瀬 廉
永瀬 廉
あーここら辺置いといてください
竹下 ミミ
竹下 ミミ
分かりました
…あなた、まだですか?
永瀬 廉
永瀬 廉
お医者さんは目が覚めるのに最低3日はかかるって
竹下 ミミ
竹下 ミミ
今日…ですか
永瀬 廉
永瀬 廉
まぁ、そうっすね
竹下 ミミ
竹下 ミミ
そうですか…
あ、友達が明日あなたに会いたいから病院行きたいって言ってるんですけど大丈夫そうですか?
永瀬 廉
永瀬 廉
クラスの人っすか?
竹下 ミミ
竹下 ミミ
はい
あなた言ったのかな?小柴健っていう…
永瀬 廉
永瀬 廉
あ!あなたに告ったヤツや
竹下 ミミ
竹下 ミミ
そうです!
今から断ることも出来ますけど…
永瀬 廉
永瀬 廉
あぁ…
いや、でも申し訳ないんで大丈夫っす
竹下 ミミ
竹下 ミミ
分かりました、伝えておきます













あなたの1番の友達のミミちゃんが来てくれた

ちゃんと花にメッセージカードがあるところとか

あなたらしいブーケになってるところとかで

2人のいい関係を想像できる














竹下 ミミ
竹下 ミミ
…あなた、ほんとに永瀬さんのこと好きなんです
永瀬 廉
永瀬 廉
っえ??















急に言われて変な声が出た

ミミちゃんは俺の反対側に座ってあなたの手を握る

そしてあなたの顔を見つめながら話し始めた











竹下 ミミ
竹下 ミミ
いつもあなたって会う度に永瀬さんのこと話してるんです。こっちが恥ずかしくなるくらいニヤニヤしながら嬉しそうに廉くんが、廉くんと、廉くんの…って
竹下 ミミ
竹下 ミミ
それで永瀬さんもよく雑誌とかであなたのこと話してるじゃないですか?だから本当にこの2人って両思いなんだなって毎回思うんです
永瀬 廉
永瀬 廉
そんな、話してるんですか…?
竹下 ミミ
竹下 ミミ
それ以外に話すことないのかってくらい話してますよ笑
でも、その時のあなたの表情がすごい好きなんです。ライブとかでティアラの皆に笑顔向けてる時とかも好きですけど永瀬さんの話してるときが1番女の子っぽくて幸せそうなんです
永瀬 廉
永瀬 廉
っ…!!
でも、俺はまだ駄目な彼氏なんです
竹下 ミミ
竹下 ミミ
それは無いと思います
あ、いいの見せてあげますよ















あなたがそんなに俺のこと話してくれたとは思ってもなかった

嬉しくて、でも自己嫌悪にもなったりして…

感情がぐちゃぐちゃで泣きそうになった時

ミミちゃんの携帯の画面が目に写った

そこにはあなたとミミちゃんのトーク履歴があった












[♔︎あなた♔︎]ねえちょっと無理だ

[*mimi*]何が?

[♔︎あなた♔︎]廉くん

[*mimi*]あー

[♔︎あなた♔︎]呼び捨てだよ?やばくない?無理やって

[*mimi*]ついに呼び捨てかー

[♔︎あなた♔︎]恥ずかしすぎて爆発しそう

[*mimi*]それはない

[♔︎あなた♔︎]いやある
私も呼び捨てにしたいとは思ってるけどいざってなったらやばいね

[*mimi*]えてかどこまでいった?

[♔︎あなた♔︎]大阪かな1番遠くは
あ、沖縄だ!撮影で

[*mimi*]いや、そういうことじゃない…笑笑

[♔︎あなた♔︎]え?なんで?なにが?

[*mimi*]あー分かんないならいいや

[♔︎あなた♔︎]???

[*mimi*]てかほんとに好きだよね

[♔︎あなた♔︎]当たり前だよ
もう廉くん無しじゃ生きていけないもん














ざっとこんな感じの会話が並んでた

他にもあなたが俺の写真を送ってたりして

嬉しくなって涙が溢れそうになった












竹下 ミミ
竹下 ミミ
まさに絵に書いたようなリア充ですよね笑
永瀬 廉
永瀬 廉
…ありがとう、ございます
竹下 ミミ
竹下 ミミ
…私少しお手洗い行ってきます
永瀬 廉
永瀬 廉
あ、はい














ミミちゃんがトイレに立つと1人になる時を

待っていたかのように涙が零れ落ちた

次から次に涙が零れ落ちて止まらなくなる

嬉しかった

あなたがそんなに俺のことを考えてくれて

あなたがすごい俺のことを想ってくれていて

『もう廉くん無しじゃ生きていけないもん』

その言葉が離れない

今もその言葉が本当なら…目を覚ましてください…

俺はあなた無しじゃ生きていけないんだ

























そしてしばらくしてミミちゃんが戻ってくる

ミミちゃんは塾があるみたいで荷物をまとめて

病室を後にした

それから俺はいつも通り面会時間ギリギリまで

あなたのそばに居た

結局目が覚めると言われた入院3日目が終わっても

あなたは眠ったままだった















プリ小説オーディオドラマ