~翌日-スカラビア寮~
え、何スカラビア寮って
朝からこんなにうるさいの?
いや、まぁ昨日の夜もこうだったけどさ
連絡の内容とは
ハーツラビュル寮
寮長リドル・ローズハートから
連絡がある、という事だった。
まぁ、どうせ「今までごめんなさい!」とか
でしょ?そこまで期待してないんだよなぁ
その言葉を最後に僕は寮を出た。
最後にジャミル先輩…だっけ?
ジャミル先輩の溜息が聞こえたのは
気のせいだ、と信じながら
~ハーツラビュル寮~
辺りは寮生達で賑わっている
いつもなら、義兄さんが
「そこ!~~!」って言うのに…今日はないのか
周りの寮生に混ざりながら
パーティー内を歩いていると…
遠くに監督生って人と
グリム…だっけ?獣がいるのが見えた
極限人には会いたくない…でも、逃げた後に
あいつらに見つかったら、余計見つかってしまう…
顔に汗が伝う
余程会いたくないんだな、と自分でも
自覚していない事が、体の現象で分かる
あ~あ、こんな時に
”アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカー”
もとい、チェーニャみたいに体が透明になれば
良いと何度考えた事か…
あそこの寮、汚いって有名だしな((
決定だね、この人達は扱うの簡単
*
監督生とグリムから聞いた話によると
義兄さんは僕に言った言葉について
ずっと後悔していて、仲良くしたかったそう
目の前の2人は固まる
え、僕変な事言ったかな?
じゃあ、僕は聞きたい事は
聞けたし帰ろうかな…
どこにって?とりあえず購買裏かな((
うわ、めんど((
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。