前の話
一覧へ
次の話

第5話

スタートダッシュPart4*本音と覚悟
155
2019/01/17 14:59
それから俺は、じんたんに会うたびに一緒にやろうぜって、猛アピールをした。
ある日も
テオくん
テオくん
じんたん!お願い!俺と組んで!
またある日も
テオくん
テオくん
じんたーん!お願いだって〜
またまたある日も
テオくん
テオくん
頼むよ〜!じんたん!俺、本当に本気なんだって!
だけど、何度言っても答えはいつも同じだった。たった一言、
じんたん
じんたん
無理だよ。
そう言う時の顔はいつも曇っていて。一体どんな気持ちでその言葉を俺に言っているんだろう。そう思ってた。
毎日毎日アピールして、毎日毎日フラれて。でもそれでも、俺の気持ちは1ミリも変わることは無かった。
気付けばもう、こうやってアピールし始めてから3ヶ月ほどが経とうとしていた。
このままじゃ、何も進めないんじゃないか。って思い始めた頃だった。
ただ、この頃少しだけチャンスができた。
じんたんが、家を探しているのだ。良い事に俺は一人暮らし。マンションは意外と広めだから1人で住むには少し寂しい。だから、ここしかないと思った。
テオくん
テオくん
じんたん
じんたん
じんたん
どしたの?
テオくん
テオくん
俺んち、来ない?
じんたん
じんたん
え?
テオくん
テオくん
俺、1人でマンションに住んでるんだけど、1人には広すぎるし、なんか寂しいな〜って思っててさ。
テオくん
テオくん
それで、ちょうどじんたんが家を探してたみたいだから、こ、来ないかな〜?って思ってさ。
じんたん
じんたん
テオくん。
テオくん
テオくん
あっ、ごめん!余計なお世話だった?
じんたん
じんたん
ううん、そうだなぁ...
じんたん
じんたん
じゃあ、お世話になろうかな。
テオくん
テオくん
え?本当!?
じんたん
じんたん
う、うん。テオくんがいいならね
テオくん
テオくん
もちろん!そうと決まれば早速部屋の片付けしないとな!
じんたん
じんたん
ふふ、気が早いよ
こうして、案外すんなりと、じんたんと同居することに。まさかここまで上手くいくとは思わなかったなぁ。自分でもびっくりだ。でも、これで1歩前に進めた気がする。



それから、次の日にはじんたんの荷物が俺の家に運び込まれて、同居生活が始まった。
一緒に住み始めてから、俺はアピールするのを少し抑えるようになった。これは、ちょっとした作戦だ。俺は、じんたんの本音が聞きたいんだ。
そんなある日
じんたん
じんたん
うぅ...ぐすっ...
静かに泣いているじんたんの声が聞こえた。
テオくん
テオくん
じんたん、どうした?
俺が声をかけると、じんたんは溢れていた涙を必死に拭って言った。
じんたん
じんたん
ん?なに...が?なん...もないよ
ちょっと、コンビニ...行ってくるね
じんたん、どうしたんだよ。なんで隠すんだよ。底知れぬ不安が俺に降りかかってきた。
テオくん
テオくん
待って!
じんたん
じんたん
...っ
じんたん
じんたん
な、に?
テオくん
テオくん
じんたん、ソファ座って。
じんたん
じんたん
うん。
少し落ち着くまで、背中をさすってやっていた。何も言わずに。そして、しばらくしてじんたんが口を開いた。
じんたん
じんたん
テオくん
テオくん
テオくん
ん?
じんたん
じんたん
テオくんは、本当に本気で俺と組みたいと思ってるの?
テオくん
テオくん
うん。俺は本気。
じんたん
じんたん
俺ね、初めてテオくんに誘われた時は、きっと酔ってるからだろうって、別に気にしてなかったんだ。
テオくん
テオくん
うん
じんたん
じんたん
でも、それからテオくんが毎日のように俺を誘ってくるようになって、ああ、本気なんだなって感じてたんだ。
じんたん
じんたん
でも、俺は受け入れられなかったんだ。
じんたん
じんたん
それは、テオくんが嫌だったからとかじゃなくて、ただ自分にどうしても覚悟が決められなかったからで。
じんたん
じんたん
でも、適当に返事したらテオくんの気持ちを踏みにじることになるから、そんなことはしたくなかったから、だからずっと断ってた。
じんたん
じんたん
ごめんね。
テオくん
テオくん
じんたん、俺ね
テオくん
テオくん
じんたんと初めて会った時、まるで一目惚れでもしたみたいに、一瞬で俺の世界が変わったんだ。
じんたん
じんたん
うそ...
テオくん
テオくん
うそじゃない。
テオくん
テオくん
ああ、こいつだって、感じたんだ。本当に直感だったけど。でも、じんたんとよく会うようになって、一緒に時間を重ねていくうちに確信したんだよ。
テオくん
テオくん
じんたんと一緒にやりたいことやって楽しい人生にしたい。って
テオくん
テオくん
俺の決心はそこで着いたんだ。しつこくアピールして悪かったって思ってる。でも俺の気持ち、ちゃんとわかって欲しくて。
じんたん
じんたん
ねえ、テオくん
テオくん
テオくん
ん?
じんたん
じんたん
俺、怖いんだ。
じんたん
じんたん
俺には、テオくんみたいな人を惹きつける力もないし、テオくんみたいなカッコ良さもないし、おもしろさだってないから、
じんたん
じんたん
一緒にいても、きっと後からテオくんが後悔するだろうって、今も思ってるんだ。
じんたん
じんたん
知らない間にテオくんと、どんどん遠くなっていくんじゃないかって思ったら、すごく怖いんだ。
じんたんは、声も体も震えていた。俺がなんと返答するかも分からない中、必死に振り絞った言葉だったのだろう。
テオくん
テオくん
ばーか
じんたん
じんたん
え?
テオくん
テオくん
じんたんは、俺になりたいの?
じんたん
じんたん
ちがうけど...
テオくん
テオくん
じゃあ、いいじゃん!
じんたん
じんたん
でも...
テオくん
テオくん
じんたんには分からないと思うけど、俺がじんたんに無いものを持っているように、じんたんは俺に無いものを持ってるんだよ。
テオくん
テオくん
周りを和ませてくれるような笑顔とか、慎重すぎる性格とか、誰かが落ち込んでる時何故かそいつよりも悲しそうな顔をして落ち込んでる友達思いな優しさとか。
テオくん
テオくん
他にも沢山ある。
テオくん
テオくん
でも、これだけは言える。俺とじんたんの共通点。
テオくん
テオくん
お互いを思いやり合っているってこと。そうだろ?
じんたん
じんたん
うん。
テオくん
テオくん
それでいいんだよ。その気持ちがあればいいんだよ。俺はじんたんに、面白さとかそんなものを求めるつもりは無いよ。そのままのじんたんに一目惚れしたんだからな(笑)
じんたん
じんたん
一目惚れって言うな!(笑)
テオくん
テオくん
だからな、じんたん
じんたん
じんたん
うん
テオくん
テオくん
不安に思わなくていいんだよ。大丈夫だから。どんな時もきっと俺がいる。じんたんの相方は俺だ。じんたんが辛い時は肩を貸すし、じんたんが危ない目に合いそうになった時は、必ず守る。
テオくん
テオくん
だから、大丈夫だ。
じんたん
じんたん
もぅ...もぅ...告白みたいな言い方すんなバカ。
テオくん
テオくん
こんな言い方しか出来ないんだよ(笑)本音だし。
テオくん
テオくん
じんたん、俺からの最後のアピール。
テオくん
テオくん
俺と組んでください。
じんたん
じんたん
はい、よろこんで!
やりたいことをやって生きていく楽しい人生なんて、そんな理想を描いてはかき消して妄想を抱いていた。だけど、そんなただの理想を現実に変えてくれたのは君だったから、たとえこの先どんな困難が待っていようとも俺は絶対に諦めず、期待を背負って羽ばたいていく。だから、最後まで一緒に来てくれよな


相棒


END






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
たまも
たまも
こんにちは!たまもです!今回の作品どうだったでしょうか!初めての作品だったのでかなりの駄作だったかもしれませんが、これから腕を上げていこうと思いマス!
最後の方は結構無理矢理な終わりでしたが、ご了承くださいませませ...。

今後も作品の方を沢山書いていこうと思いますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!よろしくおねがいします(_ _*)

それでは、また違う作品でお会いしましょう!

プリ小説オーディオドラマ