私が練習生になって1年。
周りについて行くのに精一杯だけど、キツい練習も毎日楽しみながらこなしている。
スタッフA「今日、新しく仲間となるイ・ジフン君だ。」
そう紹介されて入ってきた男の子は、私と同じぐらいの背丈の無愛想な子だった。
🍚「……よろしく。」
ジフンはどこに居ても隅っこで1人練習していた。
歌の練習でジフンの感情を初めて見た。
透き通った声、曲に隠された作曲家の想いを理解して歌っているように思えた。
あなた「ジフンさん、すごく良かったです。言葉じゃ表現出来ないほどに。」
歌い終わった彼にそう微笑んだ。
🍚「……どうも。」
返し方は無愛想だったけど、私には照れ隠しに見えた。
もっと彼を知りたい。そう思った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。