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第1話

入学式
85
2018/11/06 22:23
紗蘭
紗蘭
じゃあ,また後で
母さん
ええ,また後でね。
母さんと父さんに告げて、私は教室に向かった。


えーっと、椿ヶ丘学園中等部1年C組37番の森野紗蘭です!趣味は読書、特に推理小説かなぁ。好きなことは走ること!よろしくね

私、奇跡的に受験に合格して超難関中学である椿ヶ丘学園中等部に入学したの。大学までついてるのはいいんだけど、田舎なんだよな…ここ…
今日は入学式

新しい制服に心込めた挨拶「よろしくね」
そう思って校舎に入った。けど、教室どこ?ここ4年生のところだし~!!泣きそうになった所に誰かが声をかけてくれた。
先輩
大丈夫?どこ行きたいの?
紗蘭
紗蘭
えーっと、1年生の教室です。
先輩
そこならここから真っ直ぐ行って、最初の角を右に曲がると見えるよ。
紗蘭
紗蘭
あ、ありがとうございます!
私は先輩にお礼を言って、1年生の教室へ向かおうとした。すると、先輩が言ってくれた。
先輩
椿ヶ丘学園にようこそ!楽しんでね!
紗蘭
紗蘭
は、はい!
私は精一杯心を込めて言った。

着いた教室にはまだ誰もいなかった。
黒板に貼ってあった座席表通り座り、推理小説を読み始めた。
しばらくしたら、急に女の子が目の中に飛び込んだ。
明希ちゃん
よろしくね!
そういうと女の子は私の後ろの席に座った。
折角クライマックスのいい所だったのに…最初から読み直しだ…
徐々に人が教室へ入ってきたが、そんなことにお構い無しに本を読み続けた。
加藤先生
森野。森野!
その声で私は我にかえり、立ち上がってしまった。まるで授業中居眠りをした少年のように。
紗蘭
紗蘭
はい!
教室を見渡すと全員教室にいて、先生も教卓の前に立っていた。
紗蘭
紗蘭
あっ、すっ、すみません。本を読んでいたらつい…すみません、気が付かなくて
みんなの笑いを堪える声が聞こえた。私頑張って顔が真っ赤になっていくのに気づいた。

無事、入学式も終わり、HRが始まった。
自己紹介をするというものだった。
1番から41番まで1人1人の説明を暗記した。
けど、1人だけ凄くときめいたオーラを感じた。
三浦
三浦
32番の三浦健です。えーっと、ブラジルに6歳から10歳まで住んでました。好きなスポーツはサッカーと野球です。よろしくお願いします。
紗蘭
紗蘭
あ、37番の、も,森野さ,紗蘭です。あ,と,得意なことは,ど読書と、は,走るこ,ことです。よ,よ,よろしくお願いします。
帰国子女か、英語上手なんだろうなー 羨ましい…でも、この学校じゃ帰国子女も2割占めてるし、そんなに珍しくないか…

そんなことを考えていると私の番がまわってきた。全く考えていなかった私は緊張してしまい、変なことを口走ってしまった。
はぁー、やっちゃったー
もう最悪
「1群になろう大作戦」失敗じゃん トホホ
もうどーにでもなっちゃえ!!!

こうして椿ヶ丘学園中等部としての初日を終えたのであった…





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学校についての補則
・1学年4クラスです。
・最寄り駅から40分で、駅からバスで30分位揺られて通います。
・英語だけは帰国と一般で分けています。
・帰国は2クラス合同で別教室で行います。
・下駄箱なんてもの存在しません。体育館以外土足です。
・校舎はとにかく広い!

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