あなたside
お店のおじさんとお話をしすぎて、帰るころには太陽が沈みそうだった
父様に怒られちゃうかな…
怒られるのは嫌だし、近道をしよう
そう思って、近くの森を突っ切ることにした
森は光が当たっておらず、不気味だった
早く、帰らないと…
呼ばれて、振り返れば人とは言えない容姿の生き物
これは…父様が言ってた…悪い鬼…
ち、近づいてくる
と、父様はなんて言えって言ったけ?
あっ…
何となく、ビクビクしてるけど
私に近づいてくる…
だ、誰か…
炭治郎さんは私を森の外まで送ってくださった
その道中に聞いたが、炭治郎さんは鬼狩りだそうだ
悪い鬼を斬り、人を守る
父様は斬られないんだよね?
だって、良い鬼だもの
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!