とらと一緒に電車に揺られて帰って、家に着いた。
玄関のドアを少し開けて、中の様子を見てから、
様子を、、、、見て、、、から、
"ほんとにやばいやつだ。"
頭がおかしい。
いくつも転がったお酒の缶や瓶、その破片。
家が泥棒に荒らされたのかというほど荒れている。
床に包丁が転がっている。
コルクボードに殴った跡、壊れた写真立て。
今日は幸いにも、間違えて大金の入った財布もパス○モも持っている。
少しだけ開けたドアを、震えた手で静かに閉める。
家から離れて、駅まで。
そういえば、電車に乗って帰っていた時、とらと連絡先を交換した。
手の震えが治まらないので、
電話をかける。
プルルルルル、、
山本「もしもしぃっ、、」
「とら、早く続きやろ、、、、」
「ちょっとくらい待てよ、あなたさんが、、」
「え、いつの間にL○INE交換s」
『あの、、えっと、、助けて、、』
山本「どうしたんすか、、!?」
山本「今から駅まで行くんで甘雨まで来れますか??」
『うん、、ありがと、すぐ行く、』
頭の中をかき混ぜられているかのように気持ち悪い。
怖い。歩くのがやっとで。
何度か周りの人に話しかけられたけれど、内容は覚えていない。
多分「大丈夫、、??」とかだろうけれど、
甘雨に着くと、もう既にとらは居て、
とら「、、!!、大丈夫っすか、、!?」
とら「とりあえず俺の家に来てください、あ、えっと、、その、、何もしないのでぇえっ、、!!」
『、、え、、いや、でも、、迷惑になる、、』
とら「そんなことないっすよ!!」
手首を掴まれて、そのまま10分くらい歩いたら、とらの家であるだろう場所に着いた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。