......
なに
たった一人の恋、人 ...?
ky side
何真顔でプロポーズしてんだろ、俺
馬鹿じゃん
なんか色々ごちゃついて
困惑させちゃってるし
...
もっとハッキリしなきゃ
ちゃんと伝えたいのに言葉が出ない
顔がじんじんと熱くなってく
あなたはそれを見ても何も言わず ただ黙って沈黙を貫く
俺の話を聞こうとしてくれている
大丈夫
だいじょうぶ
あなたなら この気持ちを伝えても
...
"好きです"
その言葉を聞いた瞬間
安堵か喜びか驚きか、たくさんの感情が湧き上がって
思わず抱きしめようとした。
けど、
目の前が滲んでよくみえない
泣いてんのか、俺、あなたの前で。
絶対泣かないって決めてたのに
___涙がゆっくりと頬を伝う
目を擦り前を見ると、両手をいっぱいに広げて
ニヤリと満足気に俺を見るあなたが居た
それはそれは"冗談"っぽく
俺をからかい そう言うあなたの言葉はきっと"冗談"だ
だから俺は、逆に素直に受け止めるという"冗談"で返す
彼女に近づき、背中に手を回す
これまた"冗談"っぽく俺の背中に手を回した
それからしばらくの間 同じ体勢でいるとあなたが
口を開いた
それからお互い身体を離し
見つめあってひとしきり爆笑した
なんとも俺ららしいな、とさっきまでの事を思い出して
余韻に浸った
▶962文字
実は前の回から"冗談"っていうワード繋げてます😼
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。