あなた「さっとる〜!」
スパーン!(襖が開く)
悟「……何?」
悟「4ヶ月も顔出さなかったくせに今更何だよ」
あなた「え〜?だって命令されたから」
悟「……誰にだよ」
あなた「悟に」
悟「はぁ……?」
悟「言ってねぇ」
あなた「言ったよ!」
あなた「『来んな!』って」
悟「……」
あなた「私ら分家は本家の言う事に逆らってはいけない」
あなた「本家の言う事は絶対だからね」
悟「……」
悟「で、何の用だ」
あなた「ああ、実は」
あなた「弟を帰らせたくて」
悟「…?弟なんていたのか?」
あなた「うん…機密事項だけどね」
あなた「えー、さっきも言った通り、」
あなた「本家の言う事は絶対だ」
あなた「だから、“五条”を連れて行かないといけない」
あなた「だから悟を連れて行く」
あなた「understand?」
悟「…はぁ、まぁ良いけど」
悟「今どこにいるのか分かってんのか?」
あなた「分かってる」
あなた「取り敢えず行くよ」
あなた「清水さん用意よろしく」
※清水さんとは、悟の乳母兼お世話係のおばさん。五条家に通っていくうちに顔見知り程度になった。普段無口で怖い。
清水「かしこまりました」
悟「その弟って何歳?」
あなた「中3。私の1つ下で」
あなた「明後日高専に入学する」
あなた「だから明後日までに連れて来ないと」
清水「用意整いました」
清水「お車の準備も済んでおります」
あなた「おk、じゃあ行くよ」
悟「ああ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!