第5話

PM9:00
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2018/03/23 11:01
遊園地から帰ってきた僕らは、ヤヨイの作った夕食を食べ、お風呂に入り、今まさにベッドへ入ろうとしていた。
僕は一人暮らしだから、ベッドはシングルサイズで十分なはずなのに、僕のベッドはキングサイズのものだった。
確かに僕は背が高いから大きいベッドの方がいい。
でも、流石に大きすぎやしないだろうか。
悶々とそんなことを考えていたら、ヤヨイが寝室に入ってきた。
パジャマ姿にマクラー自分のものだろうかーを持っている。
え、まさかここで寝るつもりなのだろうか。
「……ヤヨイ、もしかしてここで寝る感じ?」
「その通り」
ぐっど親指を指すヤヨイには、もう何をいっても聞いてもらえないような雰囲気が漂っていた。
仕方なく一緒に布団にはいる。
キングサイズのベッドは、二人で寝るとちょうどいいサイズだった。
遊び疲れたのだろうか。
布団に入った途端、凄まじい眠気が僕をおそう。
だんだん重たくなってくる瞼を擦っていると、ヤヨイがねえ…と小さな声で話しかけてきた。
「…なに…?」
「ごめん、眠い?」
「…大丈夫…」
声が眠そうだよ、とヤヨイは笑う。
僕は、用件が何か早く聞いてしまいたかった。
先程はつい見栄を張って眠くないと言ったが、本当はとても眠い。
「…寝る前に、質問いいかな?」
「どうぞ……」
どうしよう。ヤヨイの声が子守唄に聞こえてきた……

「お名前は?」
「……如月ハヅキ……て言うか朝も言ったよね…」

「年齢は?」
「…今年の誕生日で21歳だよ」

「家族構成は?」
「……父さん、母さん、ばあちゃんと暮らしてた……今は一人暮らしだけど」

「好きな食べ物は?」
「………卵焼き。朝ご飯にヤヨイがこれ作ってたときはビックリした……あ、美味しかったよ」

「……そっか。じゃあ、これで最後の質問ね」

「……今日は、何日?」
「…今日は、2017年12月7日だよ」


そう言った僕の意識は、ついに眠りの世界へと堕ちていった。

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