第87話
上手くは… いかない
打ち上げの場がお開きになり、
私は廉くんに言われたとおり待ち合わせする為、少し時間を潰すことになった。
近くのカフェでスマホと にらめっこしていた私の前に、突然 大吾が現れた…
大吾は、向かいの席に座ると、テーブルに両肘を乗せて前のめりになり、
小声で話し始めた…
そんな事を、真面目そうに言うなんて…
最悪…
フられた元彼に心配されるなんて…
底辺の女には、他に心配してくれそうな人…
居ないもんね…
この先も、きっと、ずっと、
哀れまれて生きていくんだ…
可哀想な女だって思われて…
その時の私は…
もう、側には いてくれない大吾に、
反抗するしか無かった…
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数日前。
それは、神戸のお土産だった…
そう言えば…
去年ももらったな…
神戸のお土産…
智華さんの、ご実家とか…
なのかな…
私が、
覚えられない振り付けを、カラダに叩き込もうと、
朝まで、、、何度も何度も…
一晩中、、レッスンスタジオに こもっていた時に…
智洋は、、、彼女と…
拭えそうにもないほどの…
負け犬感だった…
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咄嗟に口をついた言葉は…
残酷だった…
そんな風に、、、思ってないのに…
解ってる…
悪いのは私だから…
でも…
この辛さには…
打ち勝てない…
弱い自分が、、、憎かった…