第20話
ドライブで
私を乗せた崇裕の車は、ベイエリアにある超大型ショッピングモールへと走らせた。
なんて、終始 他愛もない会話は、
長年 寄り添った夫婦の様にこなれている。
あなたの金銭感覚は、ぶっ飛んでいる。
だって、あのジャニー喜多川の娘なのだから。
その後、ベビー用品の可愛いお店をウロウロし、お買い上げ商品はラッピングしてもらった。
私は、久しぶりのショッピングと、誰かへのプレゼントを選ぶ喜びで、
ウキウキが止まらなかった!
そう言うと、崇裕は海にほど近い道を走らせた。
それは、毎日の車移動とは、景色が全然 違って見えた!
少しだけウィンドーを降ろすと、
夕方にさし掛かろうとしているのに春の爽やかな風が、
くすぐったそうに髪をなびかせ…
崇裕は、そんな私を見守るように微笑んでいた。
そう言う崇裕の目が、無邪気にキラキラしていて、
私はそのキラキラの魔法にかかったように、心を許した。
足元ばかりに気を取られ、
照れた崇裕の顔は見てなかった私は、
差し伸べられた手を すんなりと取った。
私が腕に しがみつくと、崇裕は嫌がる素振りをした。
崇裕は…
変わらない…
,
その展望台から見おろす夜景は…
私の汚れていく心を、洗い流してくれるかのようだった。
私は無意識に、繋いだ手を少しギュッとしていたみたいで…
そう言われて、ドキッ!とした!
笑ってはみせたけど、、、分からない…
この綺麗な夜景に洗われて、私はまた『ホワイト』に生まれ変われるんだと感じたけど…
崇裕の目を見たら…
また、、、染められてしまいそうで…
崇裕は、私を上着の中へと抱き寄せた…
なんて、暖かいんだろう…
崇裕の温もりが、
心地よかった。