第56話
ジャグジーでⅱ
私は、隙だらけになった流星の手から、
バッ!っと、缶を奪い取った!!!
隙を見せた おマヌケな流星を見ながら、缶に口をつけ…
ひとくち…
その視線を外さずに、流星の首筋に腕を回し、唇を引き寄せた…
最後に、優しく流星の下唇を愛撫して…
チュッ♡
ワザとリップ音を立て、ゆっくり離れた…
枷か…
そうかも知れない。
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「 ごめん… 俺、抜けるわ… 」
「 な、なんで、、俺だけに… 言うん? 」
「 妹だからやっ、、流星うるさいっ! お前と一緒に、すんなっ!」
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そんな、胸に刺さる言葉を聞く度に…
私の枷は…
ひとつづつ外れていったのかも知れない…
私はまたジャグジーの中へ足を投げ出した。
その足先が揺れるのを、ボーっと見ていた…
流星は服のまま、ジャグジーへと入って、
仰向けになるような体制で、広々と足を伸ばした。
ニコッとして、私のお酒に、また口をつけた流星。
こないだみたいに、強引に襲ってこない姿を見ていたら…
なんか…
ポトっ…
涙が、、、ジャグジーの中へと溢れていった…
流星は、ゆっくりと近づくと、
そんな私の濡れた頬を、
そっと拭ってくれた…
流星は鼻で笑うと、
そのまま優しい笑顔で言った。
ジャグジーの中、
上目遣いになるほど下から、私の顔を覗き込む流星。
その、美しく穏やかな流星に、、
溺れてしまいたい、
私の弱さ…