第32話
ガラスの心
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望が、どーしても奢らせて欲しいって懇願するから…
って、別に あれからまた、やましい事があったとかじゃないからね!?
ただただ、、、溺愛?ww
だから、崇裕を巻き込んで、3人で自販まで行った時、
望が目に入った人物に反応したから、
自然と崇裕と私も、その視線を追った…
大吾は、誰もいない廊下の片隅で、
なんだか神妙な面持ちで、スマホを耳に当てていた。
"あ…"と言葉を発した後、立ち止まった望。
少し離れた場所の大吾の姿を直視していた。
そう言って引き返す望の表情は、苦しそうだった。
奢ると言って連れ出された私と崇裕は、
望の心境の変化に、何も口出し出来ずに、引き返す望の後を のこのこと着いていくしかなかった。
ガチャっ…
楽屋の扉を開くと、そんな望の心境なんて知らない お兄たちが、
望を茶化すように扱う。
何も言わず、ソファーの片隅にドサッ…と座ると、
膝を抱え顔を伏せ、小さくなった望。
みんな顔を見合わせた。
私の元カレ = 大吾
望は、知ってしまった事実に、実在する現実に、戸惑っているのかもしれない…
はぁぁぁ~~~~~~っ…
こういう望… 苦手なんだよな…💦
歳上のくせに、、幼く思えるから…
でも…
ほっとけないか…
私はもう一度、ため息を吐き出し、
よしっ!っと何かを心に決めて、望の隣に座った。
隣に座ったのが私だと分かったからか、
望は顔を上げようとした…
けど、
その一言だけで、また伏せてしまった。
あーあ… 拗ねてる…
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望は顔を上げ、私が少し離れて座り直すのを見ていた。
望、、本気じゃなかったのかな?
私の"おいで"に、パッと笑顔になり、
だらしなくニヤけた顔で、私の膝に乗っかった。
そう言って、胸の前で両手をグーにしてるのとか…
まったく、可愛いよ。。認める。。
女子力負けてる。
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