第75話
隠れ場
もう、私の想いなんて気にしてない…
流されたら、それで未来が決まるのだから…
私の胸に顔を埋めると、
と、満足気な言葉を放つ…
普段、男らしい照史が、こんな風に幼さを感じる甘え方してくるのも、
可愛い…
照史の指が、パンツの隙間に入り込み、
入口を伺う…
愛液に触れたくらいの浅い場所を、
やわやわと撫で始めた…
そう聞かれると思い出してしまう…
すぐそこのキッチンで…
バックハグされて、キスを せがまれて…
今の照史と、同じようなコトを…
溢れてきた愛液に誘われた照史の指が、
ナカへと押し込まれる…
クチュッ! クチュッ! グチュグチュッ!
ナカから響いてくる生音が、
精神の何かを駆り立てていく様だった…
あの時…
望にイかされた時…
私のカラダに溜まりに溜まった欲が、
解放された感覚だった…
凄く気持ちよくって…
ホントは、、その続きも、カラダは欲しがっていた…
その時!
ガチャッ!
「 ただいまぁ〜 」
玄関の鍵が開き、誰かが帰ってきた物音がした!
照史は、私をキッチンに隠すと、
何も無かったかのようにソファーに座り、スマホを取り出した。
リビングに入ってきたのは、智洋。
この時の私の心臓は、飛び出しそうなほど早く打っていて…
寸止めされ、まだ火照ったカラダと、その速まる鼓動…
もうそれだけでクラクラしていた…
なのに…
ッ!!!
そこに、、、智華さんまで…
神様は もう…
私の想いなんて関係ないんだ…
ズタボロの気持ちのまま…
私は 隠れ場 で…
立ち尽くすしか、、、なかった…