第81話
智洋の部屋でⅲ
最後だからって…
こんなアホらしい お願い…
ほんと、、、ばかみたい…
思いっきり後悔し、
勢いよく智洋のベッドから飛び出そうとすると…
立ち去ろうとする私の腕を掴んだ智洋!
震えた ぎこちない声だった…
悲しい顔で そう言うと、
半ば強引に私の腕を引き寄せ、
ベッドの上… 自分の三角の膝の間に、
私を すっぽり座らせた!
後ろから伸びてきた腕に、
戸惑いとか 照れとか、全てのパニック要素を満載にされた私は、
その腕を、退かそうとした!
こんなつもりじゃなかったの!
違うの…
ただ…
最後に、、私だけに歌って欲しかっただけなの…
それなのに…
もう…
ドキドキし過ぎて、、分からないよ…
やっぱり…
ダメだったんだ…
私は、、、何も欲してはいけないんだ…
今は、そんな事ばかり、、理解できる…
智洋が歌い出すと…
ぶわぁぁぁっ… と溢れ出した涙…
耳のすぐ側から聴こえてくるその声は…
私が、、いちばんに憧れていた声 そのもの…
えっ… どうしたの…?
智洋の歌が止まった…
涙で ぐしょぐしょで、、振り向くなんてできない!
なんで…
なんで、、そんなコトするの…?
止めどない涙を、袖で何度も拭いながら、
私は何度も首を降った…
その言葉と、ギュッと きつくなった腕に、
私の動きが…
止まった…