第5話
酔って運ばれて
眠ったまま私は、望に運ばれ車に乗り込み、
眠ったまま、、、部屋へと辿り着いた私。
末っ子の特権。
きっとお兄ちゃんたち みんな、そんな感じで思ってて、
酔った私が望に抱きかかえられ私の部屋へ入って行っても、特に怪しい行動ではなかった。
幼い頃、そうやってパパに運ばれてたのを、夢うつつの中に 薄っすら覚えている。
パパは、私をベッドへ横たわらせると、
おでこの髪を優しく撫であげ、
そこへ優しくキスをし、
「 おやすみ… 僕のかわいこちゃん♡ 」
と、おやすみの挨拶をして扉を閉めた。
で、、、昨日はと言うと…
私をベッドへ横たわらせると、望はボソッと呟いた。
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私たちのパパ
ジャニー喜多川は…
3ヶ月前に亡くなった。
この事実に、誰もがショックを受けていた。
でも私は…
いつもよりもっと、
明るく振舞った。
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また泣いてしまった私の頬を拭ってくれる望。
包み込む掌の温もりに、私はしがみついた。
今の私に その温もりはパパみたいに大きくて…
離したくなかった。
望は、優しく微笑んで言った。
ッ///!!!
ウソ…
珍しく望が、真剣な顔を私に向けている。
否定するのも、困るくらいの眼差し。
ウソであって欲しい。
私はそう思いながら、望の返事を待った。
だって、そうじゃなきゃ私…
お酒が入ってるせいか、望の頬がピンクに染まってる。
ホント… でっかいくせに可愛い人
人懐っこくて幼さ全開の時もあるのに、
おおらかで、誰でも優しく包み込むような器の持ち主。
きっと、
望が本当の両親から受け継いだ遺伝子は、そんな良いとこばかりなんだろうな…
そんな風に考えながら、望の瞳に映る私を見つめていると…
ふと、
その瞳の視線が下がり…
私の視線のロックから外れ、
次の瞬間
望は「 ふふっw 」っと笑うと、
と、一変して おちゃらけモードになった。
頭にきた私は、側にあったクッションで望を叩こうとした!
なのに、
ガシッッッ!!!
あえなく腕を掴まれたことに、一瞬 私がたじろぐと、
また、真剣な顔つきの望が…
私の唇に優しく吸い付き…
力強くホールドされていた腕が解放されると、
今度は私の頬を優しく包み込んだ。
お酒のチカラもあってか…
望とのキスは、
部屋中に甘いリップ音を響かせた。